#64 dele(2018)-深夜枠になぜこれほどまでの名優が集まったのか?
TELASA紹介文
あなたが死んでも、スマホ・PCは生きている…不都合な記録、削除(dele)いたします。主演を務めるのは、山田孝之&菅田将暉。2人を支える紅一点のレギュラー出演者に、麻生久美子。彼らが2018年夏、完全オリジナルドラマの原案・脚本に初挑戦するベストセラー作家・本多孝好が紡ぐ“誰も目にしたことがない物語”に挑む!
仰る通り!
確かに「誰も目にしたことのない物語」でした。普通注目を集めたドラマは必ずと言っていいほど、大衆消費とばかりに類似品が続出するのですが、このドラマの類似品は見たことがありません。しかも、深夜枠の8話完結ドラマなのにゲストのレベルが高すぎるのですよ。これはきっと、ダブル主演の山田孝之と菅田将暉の人徳によるものではないかと思えるのです。この二人と一緒に演技出来たら、楽しそうじゃないですか。ドラマのストーリーは哀しすぎましたが。
テーマは「デジタル遺品」ではなく「死生観」だと思う
確かにドラマの軸は、死者のスマホやPCに残されたデータの消去でしたが、そのデータを辿ることで、登場人物が抱える心の闇や哀しさや切なさが溢れてくるのです。私は個人的に、第3話(写真館の老人が理髪店の余貴美子さんにバラを送るくだり)と第4話(サイコメトリー能力を苦にして自殺した野田洋次郎にまつわるエピソード)と第6話(雪山の中で死体として発見された女子中学生のエピソード)がツボでした。とにかく切な過ぎました。
私見
車椅子を自由に操る山田孝之、自由奔放に動き回る菅田将暉、温かく見守る麻生久美子。この3人の醸し出す空気感が良かったのはもちろん、事務所内でのシーンが中心で、場面がコロコロ変わらなかった点も良かったです。あれならロケにコストがかからないので、そのぶんだけ、制作費を大物ゲストへのギャラとして使用できたのではないかと深読みしています。