#56 長閑の庭(2019)-23歳院生と64歳教授の間に恋愛は成立するのか?
HP紹介文
「恋の定義」を模索する、年の差恋愛未満ストーリー。元子(橋本愛)は大学院でドイツ文学を学んでいるが、恋愛経験がなく、学生たちの恋愛談義などに溶け込むことがまったくできない。劣等感を感じる元子に教授の榊(田中泯)が「君の日本語は美しい」と言い、元子の心は榊にたいして動き始める。元子は「この感情は恋なのでは?」と思い、自分の感情を分析しようと努める。果たして元子が出す結論は…?
忖度抜きで攻めまくるNHK
2019年はNHKドラマの当たり年でした。いかにスポンサー企業への忖度が不要とは言え、このnoteでもすでに「少年寅次郎」「これは経費で落ちません」「トクサツガガガ」「みかづき」「腐女子、うっかりゲイに告る」「だから私は推しました」に続いて7作目を扱うことになりました。
主演は巧過ぎる二人
恋愛経験の乏しい女性が年上の男性に惹かれるドラマは数々あれど、さすがに41歳差の設定には一瞬引きましたが、始まってみると、64歳の指導教官に惹かれる恋愛経験ゼロの院生・橋本愛さんの演技が実に自然で、さらに、23歳に告白されて戸惑う指導教官役の田中泯さんの演技も自然で、とてもフィクションとは思えない展開でした。
付き合うのかよ!
第1話では教授への敬意が、第2話では教授への初恋の感情が描かれ、第3話の後半には師弟愛が恋愛に変貌します。モニターに向かって、思わず「成立するんかい!」と叫んでしまいました。そしてこのドラマは第4話で余韻たっぷりのエンディングを迎えます。具体的な内容はともかく、双方の家族の戸惑いが受け入れに変わっていくプロセスを含め、見どころ満載のドラマです。50分×4話というスピーディ感もピッタリでした。そもそも50分×10話で描くには刺激的すぎるのでしょうが(笑)