#142 コードブルー(2008)-Season1を超える続編なし説を立証
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翔陽大学附属北部病院救命救急センターに、フライトドクターを目指す若き医師が赴任した。自らの技術に自信を持ちながら、なお貪欲に腕を磨くことに執着する藍沢耕作(山下智久)、ドクターヘリのノウハウを地元の救命センターに持ち帰るためにやってきた白石恵(新垣結衣)、積極的かつ負けず嫌いの緋山美帆子(戸田恵梨香)、小心者だが見栄っ張りな藤川一男(浅利陽介)の4人だ。赴任初日、森本忠士(勝村政信)に救命センターを案内された4人は、この救命センターには担当医制度はなく、スタッフ全員が、いつ何が起きても対処できるよう患者すべての病状を把握しておかなければならないと言われる。するとそこに、出動していたドクターヘリが患者を搬送してくる。ヘリから飛び出したのは、最年少のフライトナース・冴島はるか(比嘉愛未)と、救命センターのエース・黒田脩二(柳葉敏郎)だった。
Season1が最強なワケ(1)
フライトドクターに焦点を当てたこと、救える命・救えない命の重みを伝えたこと、救命医の家庭の難しさを描いたことはもちろん、2008年、ちょうど脂が乗る寸前だった有望な若手俳優5人をキャスティングしたことに尽きます。藍沢耕筰(山下智久)、白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)、藤川一男(浅利陽介)、冴島はるか(比嘉愛未)、この5人のコンビネーションが素晴らしく、特にフェロー4人の初々しさや彼らから漲る緊張感に医療ドラマの醍醐味を感じました。全然チャラくなかったですね。
Season1が最強なワケ(2)
Season 2, 3が悪かったわけではないのですが、思った以上に5人の成長が早く、恋愛の要素が増えたこともあり、未熟な医療従事者が醸し出す緊張感がやや薄れましたね。中でも一番の痛手は、救命医のエース・黒田先生(柳葉敏郎)の退場でしょう。フェローのわずかなミスも見逃さす、ヘリに乗る権利(トランシーバー)を奪う冷酷さ、とりわけ、藤川に対する当たりの強さには恐怖すら感じました。その分、藍沢に右手の切断を委ねた件、息子のアウエイク手術への懸命な付き添い、藤川を認めるシーン、妻・息子を見送るシーンなど、終盤に人間味を感じさせる感動的な場面が集中していました。
Season1が最強なワケ(3)
ズバリ、白石恵(新垣結衣)を軸とした青春群像ですね。黒田先生の右腕切断のトラウマを抱え込んだあたりから、彼女を中心とした世界が形成されていきます。もちろん藍沢も祖母の認知症という難題を抱えていますが、後半は、白石先生に対する藍沢(山下智久)、緋山(戸田恵梨香)、冴島(比嘉愛未)、黒田(柳葉敏郎)、田所(児玉清)の気遣いを軸に展開していたように思います。特に、辞職を決し、豪雨の中を駆け出す白石を追う藍沢の絵は今なお、しっかり目に焼き付いています。
定番(1)
下の画像、昨今の医療ドラマではすっかり定番となりましたが、コードブルーが先駆けだったような気がします。三作すべての最終回、必ずトンネルの崩落などの大事故が起こり、窮地を脱した5人がストレッチャーを押しながら、粉塵の中から姿を現すシーンですね。Season 3の最終回は藤川先生が運ばれていましたが、さすがにマンネリだったような気が…。
定番(2)
このドラマのもうひとつの定番は「音楽」ですね。様々なシーンと見事にマッチした物悲しいBGM(佐藤直紀さん)や次回視聴への余韻を残すエンディングのHANABI(ミスターチルドレン)、このふたつが心に沁みました。特に、HANABIの一節(もう一回、もう一回🎵)はドラマのテーマに合っており、再起をかけるフェローへのエールのように感じました。ドラマの主旨に合う作詞・作曲ができるあたり、桜井和寿さんの才能は無限大ですね。