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#127 江~姫たちの戦国(2011)-宮沢りえ演じる茶々姫、大河ドラマ史上最強説

NHKアーカイブズ紹介文

織田信長の妹・市を母に持つ浅井三姉妹。徳川二代将軍・秀忠の正室で、三代将軍・家光の生母となる三女・江の波乱万丈の生涯を、女性の視点から、ホームドラマやラブストーリーの要素を盛り込み、戦国の動乱と共にスケール感たっぷりに描いた。作:田渕久美子。音楽:吉俣良。語り:鈴木保奈美。出演:上野樹里、宮沢りえ、水川あさみ、向井理、鈴木保奈美、時任三郎、豊川悦司、岸谷五朗、北大路欣也、市村正親ほか。 

大河ドラマ、低視聴率時代に突入

江(2011)平清盛(2012)八重の桜(2013)花燃ゆ(2015)、この時代の大河の視聴率の低下はきつかったですね。どれも味わい深かったのですが、主人公のエピソードが希薄で、何を見続ければよいのか、焦点が定まりきらない感じでした。「江」も見どころ自体は満載でした。

信長、お市、そして浅井3姉妹

前半のハイライトは、信長(豊川悦司)の野望に翻弄され続けた悲運の妹・お市(鈴木保奈美)がその娘(宮沢りえ、水川あさみ、上野樹里)を守るために自害するところでしょう。お市の方の凛々しさはもちろん、クールで冷酷な信長の存在感が歴代大河でナンバーワンでした。

信長 in 本能寺(格好良すぎる)

主人公は誰だ!?

常識では三女・江(ごう)なのですが、当時人気絶頂の上野樹里さんが充てられたせいか、ドラマでの彼女の人格設定が「のだめカンタービレ」の「のだめ」になっていました。度を超えた天然ぶりとおふざけぶりが、放映当初に視聴者の関心を遠ざけてしまった感は否めません。特に、ドラマ中盤、大阪城で秀吉(岸谷五朗)をコケにするシーンには目を覆いたくなりました。もちろん上野樹里さんに罪はありません!

江と秀吉

本当の主人公は!

それは浅井三姉妹の長女・茶々姫(のちの淀君)を演じた宮沢りえさんでしょう。私見ですが、歴代大河の茶々姫の中で最高でした。実際、全50話のうちの43話に出続け、江を含めた他の役者さんの出演時間を大きく上回っていました。幼い妹を凛々しく牽引した前半、秀吉との複雑な関係を演じた中盤、落城・自害までを演じ切った後半、すべてにおいて印象が際立っていました。第47話の『淀、散る』以降の残り三話、私は淀ロスに陥りました。

秀頼(仲野太賀)と淀君(宮沢りえ)

最後の三話が意外と面白い

最後になって突然、質実剛健なホームドラマに戻ります。おふざけをやめ、すっかり大人の女性に成長した江(上野樹里)と家康(北大路欣也)の遺志を受け継ぎ、不祥事を乗り越えて成長した家定(向井理)の夫婦関係や、世継ぎ問題への夫婦の葛藤が丁寧に描かれていました。なんとなくですが、最終回の余韻も深かったような記憶があります。ただ全体的に見て、「主人公は必ずしも江ではなかった」-これが視聴率のネックになりました。戦国時代の描写という点では非常にすぐれた作品でしたが、要素をテンコ盛りしすぎたのかもしれません。

お似合いの夫婦でした!




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