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#155 からかい上手の高木さん(2024)-中学生の頃、そんな感じだったなぁ

Netflix 紹介文

女子中学生の高木さんは、隣の席の西片をからかっては彼の反応を楽しんでいる。西片は何とかしてからかい返そうとするものの、そんな思いを結局は高木さんに見透かされてしまう。

誰もが心にしまったままの思い出を想起させる

相手への想いを口に出せず、からかい、からかわれ続ける島の中学2生。何ら事件が起こることもなく、そんなふたりの初心(うぶ)な関係が6話続いたあと、7話で高木さん(月島琉衣)のパリへの転勤が決まり、落ち込む西片(黒川想矢)。そして、最終回、一時的に島に残ることになった高木さんとの3カ月を楽しんだ後、フェリーで島を去る高木さんに「高木さん!」と大声で叫ぶ西片と「ありがとう、西片」と大声で答える高木さん。これを泣かずにいられようか。

叫ぶ直前の西片(右)

よくぞ発掘してくれた!

月島琉衣さんの自然な演技力が凄い。西片への想いを隠しつつ、西片の自分への想いを刺激するかのような愛嬌のあるからかいが絶妙。二重三重に仕掛けられたからかいのトラップも見ごたえ抜群。相手役の黒川想矢くんの情緒不安定な演技も凄い。からかわれることにはにかみながらも、高木さんへの恋心を自覚できず、フェリーでの別れの場面で堰を切ったように叫ぶシーンは圧巻だった。これぞまさに、思春期直前の中学生男子。

クラスメイトから全く関与されないふたりだけの「からかい」の世界

切なさの極致は最終回の前夜祭(第7話)

中学3年生への進級前にパリへの転勤が決まり、クラスメイトから別れを惜しまれる中、何も言い出せない西片。そんな西片の個性を理解している田辺先生(江口洋介)の粋な計らいで、記念写真の中央に位置する高木さんの横に納まる西片。移動させられた直後、横目で高木さんを見る西片の表情がいじらしい。そして、記念写真が何とも切ない。

高木さんの横で緊張する西片のいじらしい眼差し
この画像が最終回でも良かった

映画化は是か非か

もちろん「是」で良いのだが、あまりにも中学生編が素晴らしく、高木さんの変化(月島琉衣永野芽衣)、西片の変化(黒川想矢高橋文哉)に追いつかない。自分の持っている世界観が壊れそうな気がして不安だ。成長後が描かれる以上、中学生編のシーズン2には出会えない。これが切ない。

別れの直前の時間を全力で楽しむふたり

楽曲の継続使用が救い

主題歌は「遥か」(Aimer)。これが実に島の初恋の情景にピッタリ。映画でも使用されることが救い。それなら観に行こうかなと思える名曲。


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