2021年6月 活動報告
6月の活動報告が、こんな話題から始まることになろうとは。
【魔女の一撃】
腰を、やってしまったのだ。
6月上旬のある晩、座っていると、右側の腰部に鋭い痛みが走った。これはヤバそうなやつだぞ… と直感しつつも、騙しだましシャワーを浴び、就寝。しかし痛みで何度も目が覚める。
そして起床時には、とうとう立ち上がることは疎か、座ることすらできなかった。上下左右どう動いても痛いし、動かなくても痛いし、時には視界が眩み脂汗が滲むほどの激痛が襲う。カタツムリにも劣るスピードで徐々に徐々に動きながら、2時間ほど格闘し、ようやくトイレに向かうことができた。本気でお漏らしするかと思った。
ちょうど二連休だったので、自宅でストレッチなどしながら、安静にして過ごす。痛みこそ残るものの、ある程度は動けるようになったのだが。
まさか30代前半でギックリするとは、油断していた。これまで人生の先輩方が痛みを力説していても、大変だなあくらいにしか思わなかったのだ。だが今こそ分かる、これは物凄くツラい。
厳密には、ぎっくり腰と言わないのかもしれないし、これでも軽度な方なのだろう。何日も動けなくなる、といった話も聞くからね。
しかしまあ、これも経験だ。健康第一だなと再認識させられる。そして痛みを知ることで、人は人に優しくなれるのだよ。
ちなみに小見出しの「魔女の一撃」とは、ぎっくり腰の西洋での呼び方だそうである。
【おしゃっち3周年記念イベント】
腰の痛みを引きずりながらも、仕事へ。捻ったり深く曲げたり、急な動きをしたりしなければ、ほぼ普通に動ける。
大槌町の文化交流施設「おしゃっち」にて、大槌ジビエソーシャルプロジェクトとして出展。
定番である「大槌鹿肉の串カツ ~塩麹仕立て~」に加え、新作「大槌鹿肉のタコス」を販売した。
ホロホロになるまで煮込まれたスジ肉に、タコソース(サルサソース?)を振りかけ、野菜も挟めば、ほらメキシカン。シカだけに。
町内イベントではそんなに売れない、という身内の声もあったものの、見事に双方とも完売。おいしい、との声もたくさんいただいたので、成功だろう。
トルティーヤマンが次に現れるのは、キミの町かもしれないぜ。
【MOMIJI壁画】
廃材等を活用するエコアートアーティストさんが、解体ハウスの外壁に絵を描いてくれることに。炎天下で一週間、朝から晩まで、時には晩から朝まで作業を続け、完成させてくれた。いつまでも見ていられるやつだ。
「MOMIJI」の部分は、シカのツノを活用した絵の具が使用されている。
殺風景だった空間に生まれた、圧巻の芸術作品。もはや凄いとしか表現しようが無い。これだけでも充分、大槌町の新たな観光スポットと言えるんじゃないかな。
ウニの殻も乾燥させ、粉々にすり潰し、絵の具の原料にするのだという。
ゴリゴリする作業を、お手伝いした。
アリさんが一人、ひと欠片の殻を一所懸命に運んで行く。
食べられるのかい?それ。もしくはベッドにでもするのかな。
少量でもかなりの時間がかかり根気が要るけど、こういうのを得意とするのが僕である。黙々と細かい手仕事をするのが、向いてるタイプなのだ。
手が痛くなりながらも、数回これを繰り返し、僅かばかりの粉を生み出す。物のありがたみが分かるね。
ちなみに、鉢を割ったのは僕じゃないからね。
【大槌ジビエソーシャルプロジェクト 月例ミーティング】
ジビエ事業の主要メンバーが集まる会議を、月イチで開催している。町内の各地区にある集会所を、持ち回りで借りて行うというのは、良い試みだ。
トピックが多く、毎回4時間超にも及ぶ大会議となるが、僕は2時間あたりで力尽きてくる。皆さんタフである。
【岩手大槌サーモン祭り】
二週連続のイベント出展。
鮭と串カツとタコス。サーモン寿司は、お振舞つまり無料配布され、その数なんと1,000食。
サーモンのお吸い物も、お振舞つまり無料配布され、その数なんと1,000食。
餅まき改め餅の配布も、お振舞つまり無料配布され、その数なんと知らない。しかも当たり付きで、大量の野菜まで貰えたりする。まさに大盤振舞い。
人間、タダには弱い。どこから集まったのかと思う数の人が、写真以上に行列を成していた。
同時出展していたraviliss(ラビリス)では、シカの革やツノを活用した、タペストリーやキーホルダーを販売。興味を持つ方は多く、売れ行きも良かったようだ。
今回も完売御礼。そして美味しかったという声が多数。シカだけに。
【「がんばろう東北シリーズ」復興マルシェ】
プロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルス×オリックス・バファローズの3連戦に合わせ、仙台市の球場で開催されたイベント。串カツを1,000本用意して乗り込む、大槌ジビエソーシャルプロジェクト&観光交流協会のメンバー。
1日目はオリックスの勝利・2日目は試合中止・3日目もオリックスの勝利と、鷲サイドとしては残念な結果だけど、仕方ない。シカだけに。
しかし串カツは大好評で、大槌ジビエ・大槌町の大いなるPRになった。ようである。
というのも、僕は大槌でお留守番だったので、現地入りしてないんだなこれが。MOMIJIとして、ジビエプロジェクトとしてのご報告だ。
【魔女の二撃目】
6月下旬に差し掛かる。腰の違和感・疼きは感じつつも、このまま何事も無く自然治癒してくれれば。
と思っていたのに、ある晩、またも激痛が。これはそろそろ病院に行った方が良さそうなので、整形外科へ。
レントゲンを撮ってもらったところ、過去にヘルニアをやったような痕跡があるとのこと。さて、身に覚えは無いが…
それと、骨の一部が尖った形に変形しているという。これは素人目でも分かるくらい、はっきりトンガリだった。なるほど、そこが痛みの元か。
老化、に赤線を引かれたけど、スルーするぜ。
根本の原因として、積年の姿勢の悪さというのはあると思う。猫背のダメージが蓄積していたうえ、体の右側に負荷のかかる体勢も多かったのだろう。そこにシカ解体で立ちっぱなし&前かがみになりっぱなしの日が増え、遂に悲鳴を上げたのかなと。
ヤバいモノでは無いらしいから、ひと安心ではあるんだけども。しかし、あんなに失神しそうなほどの激痛が走ったのに、薬と体操で様子見なのか。じゃ世の中の病気やケガは、どれだけツラいというのか。
健康第一という言葉の重さよ。
【地域おこし協力隊マンスリーミーティング】
大槌町の協力隊8名・それぞれの受け入れ事業者・事務局が集まる会議も、月イチで開催されている。隊員各々の活動状況報告や、情報共有などを行う場だ。
ジビエ担当の協力隊以外は、普段から会う機会が少ない。このような場があるのは良いね。
緑のふるさと協力隊の時は、同期の存在が大きく、心の支えにもなっていた。配属先・活動内容は違えど「仲間」がいるというのは、大事なことかもしれない。
【道の駅 遠野 風の丘 創業感謝祭】
個人的には今月3度目、大槌ジビエとしては4度目になるイベント出展。本当に毎週末の出動だ。
大槌町から内陸部へ45分、遠野市へ。今回も串カツとタコスで、土日の二日連続勝負。
法被やエプロンが新調されたので、今後は着用して従事。見た目からも、しっかりPRだ。シカだけに。
客引き・声出し要員は足りているので、僕は毎回、キッチンカー内部で作業。特にタコス作りに励んでいる。しかし今回は両日とも夏日。車の中は更に灼熱の暑さとなり、ずっと汗をかいていた。
というわけでお仕事後に、みんなでクールダウンタイム。隠し撮りされた瞬間がオネエみたいなポージングだったけど、誤解なきよう。僕は、いわゆるストレート・アライである。
【シカ解体】
肝心の本業について。
ほぼ独学のような形(解体の様子を撮影した映像を見ながら、とりあえずやってみる)で進めてきた割には、上出来なんじゃないの?と思うことにした。
褒められも叱られもしないが、何となくとはいえ一通り出来ているし、三ヶ月目ながら任されているわけだし、及第点のはずだ。きっと。
これもまた、一人で黙々と進める作業。ようやく、ちょっとは気を抜きながらというか、鼻歌も交じえたりしながら取り組めてはいる。
割あい手間が少ないバンビちゃんなら、一頭を捌くのに2時間半ほど。準備・片付け・清掃・細かい作業も含めると、3時間くらいになるけど。まだ30分以上は縮めないといけないかな。
だがカットする部分など増えてくる大人ジカに至っては、まだまだ時間を要してしまう。細かい部分で分からないところがあるから、やらなくても良い余計な手数を踏んでしまうんだよね。本当は取らなくても良いだろう膜などを、心配だから切っておく、みたいな。
カタに取りかかっている間はモモを一時冷蔵しておく、という風に、肉が悪くならないよう気を付けてはいるものの。いずれにせよ、このスピードでは半人前の域を脱しないし、これから夏場の繁忙期に入ると、仕事が追い付かなくなってしまう。効率よく手早く、作業できるようにならねばならない。
ちなみに写真は、串カツ用に大量のモモ肉を切り分ける、大槌ジビエソーシャルプロジェクトのメンバー。
【産業廃棄物処理】
解体小屋の外に置いてある、業務用冷凍庫。シカの解体時に出る内臓・骨・肉片・革にできない皮などを一時保管している。常温で置いといたら、たちまちお腐り遊ばれて、臭いが酷いことになるからね。まあ冷凍したところで、相当なスメルではあるのだが。
いっぱい溜まると、200kg以上になるか。そしたら、
こちらの冷凍車に、
積み込んで、内陸部の北上(きたかみ)市にある産廃業者さんのところへと運ぶ。今のところ月に2回程度だけど、これから捕獲数が増えてきたら、毎週になるかな。
往復3時間以上なので半日仕事だが、ドライブやプチ遠出は好きだし、ちょっとした息抜きだ。たまにマニュアル車を運転するのも、楽しかったりする。
しかし毎回のように、服や体に血肉臭というか腐敗臭というかが付着し、ずっと鼻に付いてくる。積み込み・積み下ろしの際、袋に触れぬよう気を付けてはいるのだが。朝一番から、なかなかテンションを下げてくれるやつだ。
これは解体時、特に一次処理(皮剥ぎ~内臓の取り出し)時にも言えることである。いろいろ付いたり、浴びたりすることもあるので。
こういう負の部分まで含めて、ジビエ事業であり、肉を喰らうということであるわけだね。
【ニックネーム】
一つ余談を。
高校時代の同級生からは「佐宗」
社会人になってからは「佐宗くん」「佐宗さん」
カナダ時代の友人からは「Tatsu」「Dragon」
子ども英会話教室の講師としては「Tatsu先生」
緑のふるさと協力隊の同期からは「ドラゴンさん」
福井県大野市の方々からは「たっちゃん」
北海道では「たつ兄」
そして大槌町に来て「ドラゴン」
他にも「たっつん」「たつう」「たちゅ」「ドラちゃん」「ドラさん」等々。新しいニックネームも、随時募集中。
地域・環境・関わる人々によって変わってきた、あだ名。こうもバリエーションが増えるとは、面白いものだ。親しみを込めて呼んでもらえるというのは、ありがたく、嬉しいことだね。
何でドラゴンなんですか?と聞かれるので、いちおう解説。シンプルに、辰年うまれで「辰哉」という名前だから。なのだが、定着し始めたのはカナダ時代からである。
「たつや」が3音節のため、向こうでは間怠っこしくなる。そこで「Tatsu」と名乗ることに。でもそれだけでは味気ないから、日本語だとドラゴンって意味なんだぜ!と自己紹介時に付け加えるのがお約束となっていた。
すると面白がって「Dragon」と呼んでくれる人が意外に多く、これは使えるぞ、となった次第である。
ちなみに、十二支で算数をすると名前から年齢が割れてしまうわけだが、そのことに気付く人は案外、少ないようだ。
※写真は、カナダ時代の友人が誕生日に描いてくれたもの。英語学校のクラスメイトからメッセージと写真を集め、本にしてくれた時の表紙だ。嬉しかったねえ。
このイラストは未だに、Facebookのアイコンなどとして使わせてもらっている。
【出張】
そして水無月の晦日。車で新花巻駅まで走り、新幹線に乗車する。高速鉄道なんて2年に一回くらいしか利用しないから、新鮮味があるな。
普段は自分のペースで移動したい自家用車派だけど、たまの公共交通機関も良いね。勝手に体を運んでくれるし、PC作業も読書も昼寝もできるし、車よりエコな気はするし。
大槌町を出てから5,6時間ほどで、銀座あたりに到着。ん-、人も車も多いしモノは密集してるし、もう既にお腹いっぱいだな。都会の生活がイヤだから田舎に逃げてきてるのに…
これに関しては7月の活動になるので、次回の月次報告・MOMIJI株式会社のFacebook・協力隊の週次報告などでお伝えするとしよう。
腰には依然として魔女の魔法が燻ったまま、6月が終わりゆくのであった。
☆★大槌鹿肉は、MOMIJI株式会社の事務所・ネット通販(ポケットマルシェ・大槌孫八郎商店)などでお買い求めいただける。
また町内・県内外で取扱っている飲食店も増加中★☆