ダンス【全集中】本番直前の緊張感を吹き飛ばす方法〜その3
1回目:ダンス【呼吸】本番直前の緊張感を吹き飛ばす方法〜その1
2回目:ダンス【丹田】本番直前の緊張感を吹き飛ばす方法〜その2
全集中をする
1)対象以外のことを考えない
2)時間と空間を忘れる=無我夢中
3)自分以外のことを考えない
4)いまこの時に集中する
5)ゾーンに入る=楽しむ!!
さて最終回は「集中」についてです。
皆さんはダンスをする時、もちろん集中しているでしょう。
でもその集中度合いはどの程度でしょうか。
ヨガでは、高い集中状態を「ダーラナー」、その上の状態がディアーナ(瞑想)、究極の状態をサマーディ(三昧)と呼びます。
ちなみに『鬼滅の刃』では、高い集中状態のことを「全集中」と言ってますね。
基礎練や踊り込みの時、実は何か他のことが頭に浮かんでないでしょうか?
例えば今日あった出来事、友達のこと、遊びのこと、晩御飯のこと…などなど、これらはすべて雑念です。集中すべき対象にとっては煩悩と言える存在です。
これでは真の集中状態「全集中」とは言えません。真の集中状態とは、対象(ダンス)以外のことを全く考えていない状態を指すのです。
それは言い換えれば「時間と空間を忘れている」状態とも言えます。
みなさんが一生懸命何かに取り組んだ時に、
「気づいたらすごく早く時間が経ってた…」
「一瞬ココがどこかわからなくなってた…」
みたいな経験ってないでしょうか。これがその「時間と空間を忘れている状態」です。
有名な昔話にもその状況が描かれています。
亀を助けて竜宮城に行った浦島太郎は、その「絵にも描けない美しさ」に時間と空間を忘れてしまいます。
故郷に戻ると、時が進んだ光景に愕然とする太郎。土産にもらった玉手箱をうっかり開けてしまい、一気に時間を早送りされて老人になってしまった、というお話ですね。
この話で暗に伝えたいのは、何かに集中して時間と空間を忘れていれば、歳を取らないということです。
そういえば皆さんの周りにも、多趣味でいつも楽しそうな、若々しいおじいさんおばあさんがいらっしゃいますよね?
高い集中状態は、心身を活性化させつつリラックスさせます。頭も体もフレキシブルで「無我夢中」「無欲」という状態を作り出します。
集中をする対象は、自分が一番好きなこと・やりがいを感じること・なすべきこと(ダルマ)でなくてはいけません。でないと高い集中状態は続きません。
そして、それを終えると、疲労感よりも大きな充足感が得られるのが真の集中状態です。
そこにはもちろん、緊張も不安もありません。
好きなことに全力で取り組んでいる自分が、自然に他のすべてよりも優位になってしまうのです。
もし、うまく集中ができないのならば、それほど対象のことが好きではないのかもしれませんね。
例えば、付き合っているコがいるのに、他に目移りしてしまうならば、本当にそのコが好きなのかどうか、一度自分の心に聞いてみてもいいかもしれませんね!
高い集中状態を作るために、もう1つ大事なことは
「自分以外のことを考えない」ことと
「いまこの時に集中する」ことです。
不安や緊張の正体は、「自分ではコントロールできないことに思いを巡らす」ことです。
そして「自分以上の自分を見せようとする欲」にあります。
それがダンスバトルならば、対戦相手のこと、ジャッジのこと、観客のことなどに意識が向きすぎている状態。
「相手がこうきたらどうしよう…」「観客の反応が悪かったら…」「うまくできなかったらコーチに叱られるんじゃ…」なんて本番直前に考えても仕方ありません。緊張する一方です。
それよりも自分が準備してきたこと、本番でやるべきこと、現場で対応すべきことに集中しましょう。
過去の失敗(ex:過去のバトルで負けた)や、自分以上の自分(ex:可能性の低い技を成功させる)、未来への期待(ex:目の前に試合ではなく決勝戦に出た自分を考えている)に思考を逃げ込ませるのもやめましょう。
極意は一つ、
いま、この時、一瞬一瞬に集中する。
本番でマジックは起こりません。練習でやってきたことを100%なるべく近く再現することに集中する。
そのマインドこそが良いイメージやポジティヴ思考に繋がり、緊張や不安を吹き飛ばし、高いパフォーマンスを実現します。
さらに高い集中状態になれば「ゾーン」に入ることも可能でしょう。
よくスポーツ選手が「球が止まって見えた」「相手の動きが予測できた」「考えずに体が動いていた」「ゲームの流れが俯瞰で見えた」などと表現する、あの覚醒状態のことです。
ダンサーならば、ステージ上のすべてのダンサーの動きが把握できた、自分の体の動きに滑らかさや自然さを感じていた、バトルで知らない曲に反応できていた、などの経験が「ゾーン」なのだと思います。
楽しむ姿勢
ゾーンに入るには、好きなダンスを「楽しむ姿勢」が重要になってきます。
そしてそこへ向かうことが何より緊張や不安から自分を遠ざけてくれるのです。
全集中の向こう側に、真の楽しみがあり、喜びがあり、究極の緊張解消法があります。
「緊張感を吹き飛ばす」この記事シリーズの第1回では、深い「呼吸」をすること、第2回では「丹田」に意識をおろすこと、そして今回は「集中」のお話をしてきました。
なので、今回の記事シリーズで伝えたいことを
「丹(炭)治郎が全集中の呼吸で」
と覚えてもらえばわかりやすいかもしれません!!
ただ1つ、これらを施しても緊張感が消え去らない要因があります。
それは
「準備不足」です。
本番までの過程の段階でやり切ったかどうかは、実は本番の結果よりも大事なことです。
いろいろな制約上、満足な準備をやり切ることが難しいご時世ではありますが、その制約の中でも、やれるだけの準備をこなし、本番直前に「やり切った心」が自分にあることが緊張感を撃退してくれます。
呼吸・丹田・集中、そして最後に「やり切った心」で、本番直前の緊張感を吹き飛ばしましょう!
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