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企画の新しさが重要〜50代のビジネスパーソンへのメッセージ
定年を迎えた今、これまでの仕事を振り返ると、改めて「企画には新しさが重要だ」と痛感します。
ただ、長年テレビの仕事に携わってきた私が言うのもなんですが、「新しさ」とは決してゼロから生まれるものではありません。
似ているけれど違うものを作る挑戦
企画書を作るたびに、「これって〇〇に似てるね」と言われたこと、皆さんも経験があるのではないでしょうか?
テレビ業界でも、ビジネスの現場でも、どこかが何かに似ているというのは避けられないことです。
しかし、重要なのは「似ている」ということ自体を否定するのではなく、そこにどう「新しさ」を加えるかです。
たとえば、スマートフォンの誕生を思い出してください。それまでの携帯電話は、せいぜい折りたたみ式や形状の違いがある程度でした。
しかし、携帯電話に「パソコン」という別ジャンルの要素を掛け合わせることで、全く新しい「スマートフォン」というカテゴリーが生まれました。これこそがゼロからではない「新しさ」の好例です。
私自身の経験:しりとり×旅=ヒット番組
私がプロデューサーとして手がけた番組の一つに、「地名しりとり」という企画がありました。
この番組では、出演者が街で出会った人と地名を使ったしりとりを行い、その相手が答えた地名の場所に実際に移動して次のしりとりを続けていく、というルールでした。
この企画は「しりとり」という単純なゲームと「旅」という要素を掛け合わせたもので、深夜1時の放送にもかかわらず視聴率13%という驚異的な結果を出しました。
この成功を振り返ると、特別なアイデアをゼロから生み出したわけではなく、既存のアイデアに新しい視点を与えただけだったことに気づきます。
新しさを生むための具体的アプローチ
では、「ゼロイチ」ではない「新しさ」とは何か?これを理解するためのポイントをいくつか挙げてみます。
1. 異なる要素の掛け合わせ
一見関係がなさそうな要素を組み合わせてみることが、新しさを生む第一歩です。スマホや「地名しりとり」のように、既存の概念に別の要素を加えることで、まったく新しい形が生まれる可能性があります。
2. 見せ方の工夫
たとえ既存のアイデアであっても、見せ方や伝え方を変えることで新しい価値を感じさせることができます。同じ企画でも、切り口や演出を変えるだけで新鮮に見えるものです。
3. 現場や他人の声に耳を傾ける
自分一人の発想に固執せず、周囲の意見を積極的に取り入れることも重要です。「これって〇〇に似ている」と言われた時こそ、その言葉をヒントにどう新しさを加えるかを考える良い機会になります。
一般の仕事にも活きる「企画」の心得
テレビ番組の企画に限らず、日々の仕事でも「新しさ」を求める場面は多いはずです。プレゼンの資料作り、営業手法の工夫、新商品の企画――これらはすべて新しい価値を生み出す挑戦です。
大事なのは、ゼロから何かを創り出そうと力むのではなく、既存のものに新しい視点や工夫を加えることです。
退職後の今だからこそ、こうした経験や考え方を振り返りながら、社会で活躍する皆さんに伝えたいと思います。
結局、「新しさ」とはゼロから生まれるものではなく、今あるものの中に埋もれている「可能性」を掘り起こすことなのです。
そしてそれは、誰にでもできることなのです。
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