★国語教師(59)
僕はときおり生徒にアンケートを取ります。簡単な質問で
あなたは、
a、映画も読書も好き
b、映画は好き、読書は興味なし
c、映画は興味なし、読書は好き
d、映画も読書も興味なし
こんな感じです。先日、僕が担当する高二全員二百名に聞いたら
a、28名
b、102名
c、19名
d、41名
無回答が10名でした。
これは無記名アンケートです。長太郎が開発したアンケート用のアプリを使いました。各自、スマホを使って回答する仕組みです。
まあ、全体的に見て読書が好きな生徒は少ないという結果ですね。無回答の生徒は備考欄に「こんなアンケート、くだらねー」とか書いてました。(笑)
教育と読書というテーマで考えると世の中の教師は生徒に対して大いに読書を推奨したいのではないでしょうか。僕も同じですね。僕自身、読書により自分を内面的に創りあげてきたという確信に近い気持ちがあります。読書は人間の成長に必ず役立つと。
では、教育と映画はどうですか。全国の教師に聞いてみたいです。生徒にぜひ観せたい映画、ありますか?と。
僕はたくさんありますね。いま書き出すとキリがないからやめますけど。一つあげるなら「ローマの休日」かなあ。何度も観ましたが全く飽きません。
「カサブランカ」という古い映画がありますが、これはドイツが悪者でアメリカ、フランスなど連合国側が善なる人々という単純な映画です。対ドイツに向け国内人民の意志統一、戦意発揚を謀るため連合国側の国民を「ドイツ、だめー、けしからん、撲滅~」と洗脳する意図で作られた映画だと聞きました。
僕も生徒を何らかの方向に洗脳しようかな。さて、どんな方向に洗脳しようか。
自動車教習所では違反内容に応じて見せる短編映画が異なるようですね。酒気帯び違反の教室では、酒を飲んで事故を起こした加害者の家庭が崩壊した、とか。違反者の反省を促す短編作品をたくさん持ってますよね、警察は。
小説の世界はどうか。たとえば、「走れメロス」は文科省がたいへん好む筋書きですよね。約束をちゃんと守ったメロスは英雄ですね、と。友情は美しいね、と。
しかし、よく考えてください。この物語の冒頭でメロスは友人に一切相談せず、勝手にその友人を身代わりとして王に差し出すんですよ。あまりに酷い話じゃないですか?一言挨拶ぐらいしなさいよ、と。(笑)
まあ、僕なりの結論としては、本にしろ映画にしろ、国語の授業で使える作品はたくさんありますね、ということです。本から学ぶ、映画から学ぶ、他者から学ぶ。世の中は学びの宝庫なんですよね。
さらに言えば音楽です。僕はあらゆる音楽を好みますが、音楽からの学びって、ありますね。
さらに、さらに言えば絵画です。絵画からの学びって、あると思いませんか?
さらに!さらに!
そろそろやめておきます。(笑)