No.11 キングダムから学ぶCSCA part4
写真は48巻から引用。
シリーズで書いてきたCSCAの最後、A:assessment 評価に入る。
C:体制を作り
S:安全を確保し
C:情報伝達を整える
キングダムだとしたら
攻める武将をきめ、鎧や馬やら準備をして、伝令を配備したら、次はどうするか?
いきなり号令をかけて合戦が始まるだろうか?
作中では、
どのような戦い(城攻めか?合戦か?)
場所はどこか?相手の数は?
どこを通って向かうか?
などが自然と描かれている。戦いに必須の事前情報を評価しているのだ。
では、災害時はどうか?
我々は災害発生を認知したら以下の項目を評価している。
1.災害が発生したことの報告をする
2.正しい場所を伝える
3.どのような災害が生じたかを伝える
4.二次災害(まだ危険かどうか)の有無
5.現場までの経路
6.怪我人の数
7.必要な応援や支援
これらをMETHANE reportとして我々は訓練しているのだ。
英単語が覚えにくいので、一般の方や医療従事者でさえも覚えられない。
ただ、これこそが災害対策に必要な知識でもある。現場の評価がないと何ができないか?
そう、戦略や戦術、兵站が全く練れないのだ。
コロナ対策において、この評価が非常に難しくなる。
N:number of casualties(傷病者数)ひとつとっても、それはコロナ陽性者数なのか、疑い例なのか、発熱者なのかをわけて評価していかないといけない。自然災害とは違い、場所は把握され、移動経路も確保されているが、必要な資源や応援などについては新たな災害と直面していることから現場からの訴えを聞いて判断する必要がある。
再度、振り返る。
まず災害(コロナがアウトブレイク)が起きたとする。
リーダーは誰だろうか?
誰が何をするか役割分担はできたか?
→組織図を書いて周知しよう
他の組織との協力は?
県の体制や国の体制は?
→窓口をみつけよう。
安全確認は?
→自分、現場、助ける人々の順
情報伝達手段は?
→LINE、Zoomだけじゃなくて電話番号や紙のやりとりなども含めて整理
評価しましたか?
→どこでなにが起きてるか、どうやってそこまでいくか、患者数は?必要な応援、資源は?
以上を意識しながらもう一度キングダムを読んでみよう。
約7回の大きな戦の始まりを分析すると、CSCAがいかに整備されているかがわかる。
日本の危機管理の弱い点は、常に後手に回ることだとよく言われる。起きた結果を評価してしまうため、後手に回るのだ。
災害発生直後に適切な評価を行い、戦う体制をいかに構築するか。それが今まさに各組織で問われているのである。
Dr.RISHIN
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