Dr.RISHIN

地方都市において医療の現場で新型コロナウイルスと戦っている真っ最中の医師。専門は救急医…

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地方都市において医療の現場で新型コロナウイルスと戦っている真っ最中の医師。専門は救急医療と災害医療。天下の大将軍になって、沢山の命を救いたいと願う。漫画「キングダム」の大ファン。

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  • キングダムから学ぶ新型コロナウイルスとの戦い方

    漫画『キングダム』から学ぶことができる戦いのエッセンスを紹介します。新型コロナウイルスと戦う人々やこれから戦っていく若い世代の皆さまにシェアしたいです。

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キングダムから学ぶ新型コロナ大戦

はじめに私は今、医療の現場で新型コロナウイルス(以下、コロナ)と戦っている真っ最中である。 関係者が『これは戦争だ』と表現するように、現場では感染防護具という名の鎧を着た我々医療スタッフが日夜コロナと戦っている。 感染防護具をつけてウイルス感染者をみるだけならそれは感染症診療の域をでない。 コロナが何故戦争と呼ばれるのかは、病院機能や地域医療、福祉の現場から、経済活動まで影響を及ぼし、かつ、医療者が自らの危険をおかしながら日々の診療に臨む姿があるからだろう。 また、地

    • 【ネタバレあり】No.16 人を統べること

      挿絵39巻より引用 さて、世はコロナ時代に突入し、最初の大きな波が引いている状況である。被害の全貌が徐々にみえてきており、医療システムだけでなく、経済や教育が受けた衝撃の余波が明らかになりつつある。 キングダムでも首都咸陽は幾度となく攻め込まれるが、何度も何度も復旧する。ひとは困難に対して適応し、日常を取り戻していく。 さて、今回は人を統べるということについて書いてみたい。 キングダムは単なる戦を描くバトル漫画ではない。実は国というものや統治ということに関しても深く考

      • No.15 模擬戦

        挿絵は46巻より引用。 No.14では戦いの間にすべきことに触れていった。 今日はもう一歩踏み込んでみたい。 コロナ自粛体制が解除されつつある中、クラスターの再発生は誰もが予感するところであり、他国が今まさにそのような状況である。 キングダムは、次の戦いを計画するときや、作戦を練り直すときに盤上で模擬戦を行う。木駒と地図を使い、いわゆるシミュレーションを行うのだ。 これをするのは大体、昌平君や昌文君、河了貂をはじめとした軍師が行う。敵も同じである。大体大変な模擬戦の

        • No.14 戦いと戦いの間

          挿絵は46巻から引用。 No.13まで、ひとまず新型コロナ大戦の激闘を元に一気に書き上げた感はある。 世は緊急事態宣言の解除などが検討されて、僕の住む地方では早速外出の波が出ていて、ショッピングモールは人の列だ。 メディアでは第二波、第三波の話が少し取り上げられ、束の間の時間だという議論もされている。実際に我が救急部でも、次は必ず来るだろうという話にはなっている。 仮に今の日本が戦いと戦いの間の時間を過ごしているとしよう。キングダムで戦いと戦いの間がどう描かれているか

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        キングダムから学ぶ新型コロナ大戦

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          17本

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          【ネタバレあり】No.13 人と道の話

          挿絵は53巻より引用。 今回の話はブログのような内容になる。 今の自分の気持ちを載せてしまうがご容赦いただきたい。 龐煖(ほうけん)という武人 作品の中で龐煖(ほうけん)という最強の武人が現れる。彼は求道者(ぐどうしゃ)と言われ、人間を更なる高みへと導く究極の存在として戦いを極める【道】をゆく。 これに相対するのが、主人公の信であり、その師である王騎将軍であり、麃公将軍である。龐煖に何度切られても立ち上がり、刃を返す。王騎も麃公も龐煖に切られてしまうが、2人の思いを受け

          【ネタバレあり】No.13 人と道の話

          No.12 戦いの士気と檄(げき)

          挿絵は53巻より引用。 今日は檄(げき)について話したい。 リーダーが生み出す檄はチームが困難に立ち向かう際にメンバーに勇気を与え、全体の士気を向上する。いくらマニュアルを周知徹底しても、資機材が潤沢にあっても、訓練をしても、いざ危険な現場に飛び込み戦う際に必要なのは、勇気とチームワークである。 キングダムでは、武将が戦う前に自軍の前に出て士気をあげるために檄を飛ばす。その檄により軍の士気があがり、兵士たちが『ウォォォォー!!!!』となる。 僕もキングダムを読むまでは

          No.12 戦いの士気と檄(げき)

          No.11 キングダムから学ぶCSCA part4

          写真は48巻から引用。 シリーズで書いてきたCSCAの最後、A:assessment 評価に入る。 C:体制を作り S:安全を確保し C:情報伝達を整える キングダムだとしたら攻める武将をきめ、鎧や馬やら準備をして、伝令を配備したら、次はどうするか? いきなり号令をかけて合戦が始まるだろうか? 作中では、 どのような戦い(城攻めか?合戦か?) 場所はどこか?相手の数は? どこを通って向かうか? などが自然と描かれている。戦いに必須の事前情報を評価しているのだ。

          No.11 キングダムから学ぶCSCA part4

          【ネタバレあり】No.10 キングダムから学ぶCSCA part3

          写真は15巻より引用 前回は【S:Safety 安全】について解説したが、次は【C:Communication 情報伝達】である。この情報伝達が災害対応において最も混乱と失敗を招く原因と言われている。 キングダムの中で情報伝達が勝敗を分けた戦いがある。それは王騎将軍が李牧に討ち取られた戦いだ。(コミックス11-16巻参照) 秦に対して李牧は自軍の存在を隠し続けた。そして楊端和が嬴政(えいせい)に助言をしたときには既に李牧の手が迫っており、情報を伝えられなかったのだ。 体

          【ネタバレあり】No.10 キングダムから学ぶCSCA part3

          No.9 キングダムから学ぶCSCA part2

          写真は8巻から引用。信が初めて甲冑を買った時。 今日はシリーズ第2段。CSCAの【S:Safety】安全管理を解説していく。 Part1でリーダーを決めたり役割分担をしたりて体制を構築した。次に必要なことは安全管理である。 災害時の医療活動で、安全管理は1:Self(自分)-2:Scene(現場)-3:Survivor(生存者)の順にSSSで行うように教育される。 1.Self 自分の安全 災害時に組織的な救護活動を行う場合、まず自分の身の安全確保から始まる。瓦礫の現

          No.9 キングダムから学ぶCSCA part2

          No.8 キングダムから学ぶCSCA Part1

          さて、シリーズで4回お送りするが、今日はCSCAの始め、【C:Command&Control】を解説する。 まずはCommand 災害医療、つまり災害時に医療活動をする場合、何より先に指揮命令系統を確立することと、統制のとれた組織を構築することが重要になる。  指揮命令系統と統制とは、『リーダーを決めて役割分担をする』ということだ。これをやらないとそれ以後の活動は混乱をして、助かる命が助からなくなる。  いわゆる体制構築と言える。これをCommandと表現する。 キン

          No.8 キングダムから学ぶCSCA Part1

          No.7 キングダムから学ぶCSCA【総論】

          今日の話はストーリーの詳細からは少し離れて書いてみる。コロナ対策には災害対応が求められるのは何となくわかるかもしれないが、災害医療という馴染みのない言葉について解説していこうと思う。 災害医療とは災害医療とは、医療資源(ひと、もの、場所)が足りない状況で最大限の患者を救命することを目的とする。救急医療は全力で少数の命を救うのに対して、災害医療は少数の全力で多くの命を救うのだ。 だから、優先順位をつける行為が生じてしまい、これをトリアージという。早く助けないと死んでしまうも

          No.7 キングダムから学ぶCSCA【総論】

          No.6【ネタバレあり】山の民と人の因縁

          今日の話はコミックス第3巻からであるが、嬴政(えいせい)が山の王楊端和(ようたんわ)に玉座奪還の戦いに加勢してもらう依頼をする。 挿絵は3巻から引用。 山の民と秦には因縁があり、民は猛反発する。過去の因縁による憎悪から嬴政は捕らえられ、殺されそうになりながら、信と共に力を貸して欲しいと訴えるのだ。 人同士、組織同士の因縁さて、人とコロナウイルスとの戦いを難しくしている要因に人同士、組織同士の因縁がある。それは長い歴史の中で醸造されたものであり、困難を前にしたからといって

          No.6【ネタバレあり】山の民と人の因縁

          No.5【ネタバレあり】王騎将軍の矛

          ※写真は16巻より引用。 今日は、20-30代の仲間たちにシェアしたい物語。 キングダムファンなら忘れられないストーリーとして、王騎将軍が往生する第172話がある。 王騎将軍とは。王騎将軍はキングダム前半に信の師となる天下の大将軍であり、六大将軍の1人として秦の代表的武将として軍を率いてきた。 皆様の職場や周りにも天下の大将軍と思われる人物は居ないだろうか? 東日本大震災や熊本地震をはじめ、近年では台風による水害や大規模停電などがあり、危機的状況に際して組織や地域を

          No.5【ネタバレあり】王騎将軍の矛

          No.4【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能 vol.2

          No.3で武将の知略型と本能型の違いを説明した。 知略型同士の戦いは、鄴攻めの李牧vs 王翦(おうせん)に代表される。手の内の読み合いは凄まじい攻防であったし、知略型の戦いの利点や欠点が垣間見えた。本能型の戦いは王騎、麃公、信と龐煖の戦いであろう。知略型対本能型の戦いに学ぶことは非常に多く、コミックス27巻の麃公軍対趙軍の戦いはその代表となる。 武将には2種類あると言ったが、戦いにおいてはどちらの存在も重要になる。その象徴となる描写が作品中もある。それが『起こり』である。

          No.4【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能 vol.2

          【お題】僕と人生と漫画

          僕はnoteで『キングダムから学ぶ新型コロナ大戦』という記事を書いている。思えば漫画は小さい頃から大好きで沢山読んできた。信やルフィ、炭治郎、櫂直を始めとした主人公に自分を重ねて状況を分析するとスッキリすることが多い。今回、自分を構成する5つのマンガを選んでみた。こうしてみると灼熱の時代(物語)を生きる1人であることを実感する。 それぞれの漫画についての思いは以下の通りである。 ①キングダムには戦いのすべてが詰まっている。戦争という分野は科学の発展により様相を変えてはいる

          【お題】僕と人生と漫画

          No.3【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能

          ※写真は30巻よりお借りしました。 キングダムでは、信は天下の大将軍を目指して強くなっていく。 秦が中華を統一する物語としてキングダムは壮大であるが、奴隷として農村で働いていた少年が夢として抱いていた大将軍に駆け上がるストーリーにもまたロマンがある。 物語の中の武将には位があり、100人将から1000人将、3000人将、5000人将と上がり、その次が将軍となる。 1万人規模の軍勢を率いる将軍には様々な武将がおり、十人十色のキャラクターが登場するが、今日はその武将の特性

          No.3【ネタバレあり】戦いの指揮者と才能