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【調べてみた】 野菜の硝酸は大丈夫? 加工肉・発色剤・発がん物質④ 終
2448文字 3〜4分で読めそうです。
「加工肉・発色剤・発がん性物質」の最後の記事です。
①加工肉・発色剤について調べてみようと思った経緯
②発色剤 → 発がん性物質 のメカニズム
③亜硝酸塩(発色剤)の摂取こんなに少なくても影響が・・・?
④今回の記事です。
論文紹介
![](https://assets.st-note.com/img/1645568737666-zEW0nKPUvx.png?width=1200)
野菜に含まれる硝酸塩は口腔内や消化管内のバクテリアによって亜硝酸塩に変換され、この亜硝酸塩のレベルは私たちの体内で発がん物質の生成に影響を与えます。ということで、
▶️亜硝酸塩と硝酸塩の摂取と胃がんリスクの関連性について解析した論文
結果(亜硝酸に関して)
![](https://assets.st-note.com/img/1645570384552-1Zz4V4Hh7z.png?width=1200)
耳にタコ状態かもしれませんが、体内で硝酸塩から亜硝酸塩に変換されますが、この論文では外から摂取する亜硝酸塩に注目しています。つまり加工肉などに使われている発色剤や汚染された水や食べ物から摂取した場合ということです。
・亜硝酸塩の高摂取は胃がん(GC)のリスク上昇と関連が示唆された。
・解析の対象を特に質の良い研究に限定した場合にも亜硝酸塩の高摂取はGCのリスク上昇と関連が示唆された。
結果(硝酸に関して)
![](https://assets.st-note.com/img/1645570454847-QcM1XC8bhT.png?width=1200)
一方、ビーツやほうれん草、春菊、ちんげん菜、などの野菜に多く含まれる硝酸塩はどうでしょうか。
・硝酸塩の高摂取はGCの進行に対して保護的な役割があると示唆されました。
・上と同様に質の良い研究に限定した場合、硝酸塩の高摂取はGGリスクの低下と関連していることが示唆されました。
結論
この論文では、亜硝酸塩の中〜高摂取は胃癌リスク↑と関連し、一方、硝酸塩の中〜高摂取は胃癌リスク↓と相関していると結論しました。
まとめ
硝酸塩が体内で亜硝酸塩に変換されるのに、なぜ野菜からの硝酸塩は大丈夫なのかということに関してはまだまだ研究が必要なようですが、果物や野菜に多く含まれる抗酸化物質、フィトステロールなどが、フリーラジカルの消火またはNOC(発がん物質を含む化合物の総称)の形成の阻止をすることで、発がんを阻害する可能性があることが考えられているようです。
体内でのメカニズムはミステリーが多く解明できていませんが、いずれにせよ、硝酸が多く含まれている野菜を食べることが、体内で発がん物質生成に寄与することは少なそうで、むしろベネフィットがありそうだと分かったことは少し安心できることではないでしょうか。
加工肉食品による発癌リスクは考えものですが、
ベーコンやハムは朝食やお弁当の便利アイテムですし、これらをまったく食べないというのは難しいかもしれません。
今回の「「加工肉・発色剤・発がん生物質」からずれてしまいますが、
ベーコンは絶対カリカリじゃなきゃという強いこだわりがないのであれば、調理法を工夫してみてはいかがでしょうか。
カリカリベーコンのように揚げ焼きした物には亜硝酸ナトリウム以外にもがんに関連する心配事があります。
複素環式アミン(HCA)と呼ばれるグループに属するいくつかの化合物は発がん性物質として知られていますし、老化を促進させるといわれている糖化最終生成物(AGEs)も高レベルで含まれています。
HCAもAGEsもメイラード反応と呼ばれる化学プロセスによって生成され、熱によって急速に増加します。つまり、ベーコンの焼き方次第で、発がんリスクが変わる可能性があるのです。例えば、軽く焼いたベーコンには、よく焼いたベーコンの10分の1しかHCAが含まれていません。
なので、特にこだわりがないのであれば、メイラード反応が少ない調理法、つまり、HCAとAGEsがを抑える調理法を採用してみてはいかがでしょうか。
具体的には、
・電子レンジでベーコンを温める
・焼きソーセジではなくて茹でソーセジで楽しむ
・最初はソーセジを茹で、中まで温まってきたら最後だけフライパンに移し少しだけ!表面をカリッとさせるなど。
参考文献
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Mirvish SS, Wallcave L, Eagen M, Shubik P. Ascorbate-nitrite reaction: possible means of blocking the formation of carcinogenic N-nitroso compounds. Science. 1972 Jul 7;177(4043):65-8. doi: 10.1126/science.177.4043.65. PMID: 5041776.
Steinmetz KA, Potter JD. Vegetables, fruit, and cancer. II. Mechanisms. Cancer Causes Control. 1991 Nov;2(6):427-42. doi: 10.1007/BF00054304. PMID: 1764568.
Zhang FX, Miao Y, Ruan JG, et al. Association Between Nitrite and Nitrate Intake and Risk of Gastric Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis. Med Sci Monit. 2019;25:1788-1799. Published 2019 Mar 9. doi:10.12659/MSM.914621