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なぜ医師になったか。【女医が思う子育て#9】

こんにちは。くんぱす先生です。
医師として働きながら、2児の子育て真っ只中です。

今日は、【なぜ医師になったか】を振りながら当時の気持ちに還ろうと思います。

私は医師になってもうすぐ15年経過します。
まだまだ若輩者です。
将来、飯を食っていくのに【医師】という職業を選択肢に挙げたのは高校2年生の頃でした。もうかれこれ20年も前の話になります。

私が通っていた高校は都内の私立の女子校で、【女性の社会進出】を全力で推す理念の高校でした。同級生、後輩にもバリバリキャリアを積み社会を引っ張っていく勢いのある知り合いが多いです。
さらに、私の母は薬剤師であり国家資格取得者です。私の将来について話すとき、いつも母はこう言っていました。
『資格があったほうがいい。出産して、途中お休みしてもまた働きたいときに資格があるとないとでは復帰しやすさが違うよ。』と。
【女性の社会進出】を考えるとき、必ず議題に挙がるのは【出産・育児】です。キャリアと出産・育児を負担なく両立できることがどれほど難題か。これは経験者は身をもって実感されていることと思います。

20年前のお話なので、働き方の選択肢の幅は現代とは比べものになりません。当時は母の言葉に非常に納得がいきました。
近くで母の生き方を見てきました。
子育てのコアな時期は主婦として家事・育児に勤しみ、私が小学校中学年くらいに少しずつ薬剤師としての仕事を再開していきました。
現在、母は70歳を超えていますが現役の薬剤師として活き活きと働いています。
そんな、母の実体験から出てきた私へのアドバイスにより、私は【資格】というものを意識するようになりました。

そして、自分の「好き」と向き合いました。
・生物を専攻するほど生物学が好きであったこと。
・自身の大切な人(家族や知人、周りの人)の助けになりたい。
・自分で考えたことを実行できる環境に身を置きたい。
・将来は家族を持って、子どもにも恵まれるといいな。
・育児はしっかり向き合いたい。(母のように一旦お休みしても再度働くことが理想)

生物の分野での国家資格職はさほど多くなく、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師など医療系が多かったのを覚えています。
そして私の性格や特性から、医師を目指すことを決意したのです。

ここまでお読みいただいてお分かりのように、私の医師を目指す動機の中に感動的なエピソードはありません。
かかりつけ医がいないほど、病気にもならない。
家族も難病などなく元気。
周りに医師である親族はいない。
このように心が動かされるような感動的なエピソードがないので、医学部の志望動機書もかなり悩んだ記憶があります。
非常にロジカルに「飯を食っていくための職業」として何が自分に最適かを検討した結果行きついた結論でした。

この考え方は臨床研修医を経て、自身の専攻する科を選択する際も登場します。憧れやそのときの思い、というより「自分がどう生きていきたいか」と向き合って決めました。
その話は別途、【科による医師の特性】というテーマで書こうと思います。

というわけで、【医師】を志望するまでのお話をしましたが、そもそも中学に入学したときには、朝4時までテスト勉強しても平均点にも届かないような成績だったんです。
「なんでみんな平均点とれるんだろう~」といかにもアホそうなことを本気で思っていました。
ただ、中学2年生のときに私の勉強スタイルに革命が起きてから私の快進撃は始まりました。そのころから「周りに流される」ボーっとした性格も変わり、芯ができ始めたと思います。
【平均点をとれなかった私が医師を目指すまで】も別の機会に書きますね。

何を目指すにしても大切なのは
【自分という人間はどういう特性があるか。】
【どう生きたいか。】
としっかり向き合うことかと思います。
そして、様々なコミュニティーで多様な価値観に触れ、大勢の人の意見や生き様に触れることができたら、それだけで厚みのある学生生活になることでしょう。
私は医学生になってから、自身のいるコミュニティーの狭さに危機感を覚え、異例の多様なバイト生活を始めました。
結局、2つ落とすと留年になる単位のうち、1つを出席点が足りない理由で落とし、親からバイト禁止令が発令されたことでバイト生活は幕を下ろしました。
でも、どんな状況にいても狭い世界で居心地の良さを求めるより、多少リスクがあっても多様さに触れる努力を怠らない方が自身の成長にも繋がると思いませんか?

医師になって満足しているか?と聞かれたら概ねYESです。
でも医療界は狭いですし、医師という専門職だから医療だけ知っていればよいとは思いません。
医師になって15年とまだまだ短い時間ですが、医師であることに慢心してはいけないと日々思いますし、やっと他分野への興味を行動化できるようになってきたので【日々是学び】の精神で教養を広げていきたいと思っています。
いくつになっても新しい挑戦をする。
耳を閉ざさず、様々な価値観に触れる。
今ある常識、自分の当たり前は明日には覆るかもしれない。

そんな思いで今日も精進していきます。

今、学んでいるおすすめ本↓
冒頭、表紙カバーをめくったところのメッセージだけでなんだかワクワクしてきませんか?

本日もお読み頂きありがとうございました。

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くんぱす先生
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