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微糖コーヒーを選べば安心?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

知人の方でコーヒー飲料や乳酸菌飲料を愛飲されてる方がおりまして、「微糖を選んでいれば、2-3日に1本程度は大丈夫ですかね」と言うことを言われましたので、コーヒー飲料、ならびに甘味料についてまとめてみました。

嗜好品としてたまに飲むことは否定しませんが、そもそもコーヒー飲料にどれくらいの砂糖が入っているのか、と言うことを知っておくと良いと思います。

【コーヒー飲料に含まれる砂糖の量】

コーヒー飲料には100mlあたり約7.5gの砂糖が入っているとされます。
500mlペットボトル入りですと、37.5g。
角砂糖1個が約3.3gですから約11.4個。

「微糖」あるいは「低糖」表記のあるコーヒー飲料の場合には、糖類は100mlあたり2.5g以下である必要があります。0.5g未満で「無糖」表記が出来ます。
ですから微糖コーヒー飲料500mlには、12.5gの砂糖が含まれている訳です。角砂糖換算で約3.8個になります。

微糖や低糖と言うイメージからすると多いですよね。2-3日で分けて飲むのであれば、食事の量や頻度にもよりますが、絶対にダメと言う訳でもありません。

原材料表記で書いてある順は、含有量順であることも知っておきましょう。どれだけスッキリとかサッパリとか書いていても、最初に砂糖や甘味料が書いてあれば、ほぼ砂糖水と同じと考えるくらいの方が良いです。

【清涼飲料水に多用される異性化糖】

砂糖より安価な糖も清涼飲料水に多用されます。サツマイモやトウロモコシ、ジャガイモなどのデンプンを酵素で糖化した後、その一部を別の酵素で異性化させた、異性化糖と言う物です。ブドウ糖と果糖の混合物ですが、比率により、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、コレらに10%以上砂糖を加えた砂糖混合◯◯液糖、などがあります。

果糖は摂取すると消化酵素で分解されず、そのまま腸から吸収されます。血液中に入ると、大部分は直接細胞の中へと入り、余剰分は肝臓の酵素で中性脂肪やブドウ糖に変換されます。
最近話題になる、余分な糖が蛋白質を変性させて出来る「終末糖化産物(Advanced Glycation Endproducts: AGEs)」の量はブドウ糖より果糖の方が10倍以上多い、と言う報告もありますし、果糖を含む異性化糖は脂肪肝を進行させる大きな原因であることも判明しています。

では果糖は体に悪いから果物は一切食べない方が良いのか、と言うと、自然な果物を適量食べる程度であれば、ビタミンやミネラル、食物繊維やファイトケミカルなども摂れるので、むしろ良いといえます。
ただジュースにして大量に飲んでしまうと、余剰分の果糖が脂肪肝を進行させるので、やめた方が良いと言えますし、最近の品種改良され過ぎた糖度の高い果物も、常食しない方が良いです。

【血糖値を上げない人工甘味料はむしろ不健康】

血糖値を上げない人工甘味料が砂糖や異性化糖の代替品として健康的なイメージの清涼飲料水に使われたりしていますが、実はその様な人工甘味料の甘味が脳を刺激してインスリン分泌を増やし血糖値は低くなり空腹感を感じ多食傾向になることが判明しており、更に継続的に人工甘味料刺激に晒されると、膵臓からのインスリン分泌が少なくなることも報告されています。

インスリン分泌が起こると脳は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌し多幸感を感じますが、人工甘味料を継続的に摂り続けることでセロトニン分泌が減り、抑うつ傾向になる場合があり、実際に人工甘味料の摂取をやめさせると精神症状が改善する、と言うことも確認されています。

人工甘味料のアスパルテームやサッカリンは、動物実験で様々な病気や癌との関連性が指摘されていますが、人間での明らかな病気との因果関係は確認されていません。
とは言え上記の様に、過食傾向になったり、インスリン分泌が減り抑うつ傾向になるのであれば、人工甘味料は避けた方が良いですし、むしろダイエットや健康の敵であることはお分かり頂けるでしょう。

【自然な糖類を適度に使う方がよほど健康的】

上記の様なことから、人工的に作られた異性化糖や人工甘味料、天然物から抽出した甘味料などは、決して健康的では無いです。
甘い物や炭水化物が消化され血糖値が上がりインスリンが分泌されることで幸せな感覚を産むことは、自然な反応なので否定することはありません。
砂糖、蜂蜜などの花蜜糖、メープルシロップなどの樹液などの自然な形の糖や調味料としての「みりん(主成分はブドウ糖)などを適量料理などに使うことは否定しなくても良いと思いますが、だからと言って毎日甘い物を摂取するのは良くないと思います。

お菓子を選ぶのであれば、人工甘味料や異性化糖よりは、自然な蜂蜜や砂糖を適量使った物の方が良いですし、間食するならば甘いものより、無塩ナッツ、煮干し、スルメ、ゆで卵などの方が食事で不足しがちな栄養素の補充という意味でも健康的です。

炭水化物や糖類を摂りすぎると体脂肪が増えますが、同時に脂質を摂るとすぐに必要なエネルギー量を超えるので、更に脂肪肝や肥満を起こしやすくなります。とは言え、適度な炭水化物摂取は良質な睡眠にも有用ですので、ゼロにする必要も無いです。

甘い物や炭水化物の摂り過ぎは体脂肪が増えるだけでなく、血糖値が急激に上がったり下がったりすることで血管内膜が傷つき、全身の毛細血管で傷を修復する為に肝臓から全身に運ばれるLDLが増えることも分かってきています。動脈硬化を防ぎ改善させる為には、コレステロール値を下げるだけでは意味が無く、血糖値の乱高下対策と食事量の適正化が必要だと言うことです。
他にも起きている間2-3時間おきに甘い物やデンプンを口にしてインスリンが分泌されることが続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」と言うことも起き、更に悪循環になります。ある程度食べない時間を意識的に設けることで、インスリン抵抗性は回復します。

常に甘い清涼飲料水を飲むのではなく、普段は無糖の水やお茶、ブラックコーヒーなどを飲み、どうしても疲れた時だけ1-2週に1回くらいは自然な甘味でリフレッシュする、と言うのは良いと思いますし、その様にすると強い甘味じゃなくても満足できる様になります。

とは言え、甘い物や炭水化物を摂り過ぎない生活に慣れると、甘い物や炭水化物ばかりを食べ過ぎると2-3時間後に急激な低血糖で冷や汗が出たりフラフラしたりする症状が出ることもあるので、ご注意下さい。野菜や肉、魚、卵などと一緒に適量の炭水化物を食べた場合はなりにくいです。

万一そうなったとしても、病院に行く必要はありません。そのまま休んでいれば、血糖値が落ち着けば症状は和らぎます。何か口にしても良いですが、ふたたび急激に血糖値を上げない方が良いので、ナッツ類やゆで卵、スルメなどの方が良いかと思います。

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