14時間断食でも健康効果があるという報告
こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
栄養を摂取する時間を1日24時間のうち10時間に限定することで、エネルギーレベルや気分、睡眠の質などが高まることが明らかになったと、キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームが欧州栄養学会で発表しました。
この研究結果自体はとくに真新しいことではありません。以前より、計算上必要な量の70%にカロリー制限したり、16時間食べない時間を作り食事は8時間以内に行う、という様なことにより、腸内環境の改善、インスリン抵抗性の改善、オートファジーの活性化、サーチュイン遺伝子の活性化などが起こることは、既に広く知られています。
今回は改めてその制限を少し緩めにして、14時間断食とし10時間以内に食事をする、というやり方で検討したところ、エネルギーレベル、気分、睡眠の質について改善する健康効果が認められた、というものなんですね。
何も意識していなかった人がいきなりこの様な間欠的断食をするのは、体に負担になりますし、長続きしないので、注意しましょう。
まずは間食を見直し、糖質(甘味全般+デンパン)は避ける様にし、食事内容は今までのままにします。具体的には間食は、煮干し、スルメ、無塩ナッツ、茹で卵などで済ませることです。飲み物も、砂糖を入れる様な飲み方や甘味料を使った清涼飲料水などは避ける様にします。
それに慣れてきたら、今度は食事内の米や麺類を半分にし、その分蛋白質や野菜を増やす様にします。
それに慣れてきたら、睡眠時間も含めて12時間は消化に負担のかかる様な物を口にしない様にします。睡眠前後の2-3時間には固形物を口にしない、というのが一番やりやすいと思います。
それに慣れてきたら、14時間、16時間と食べない時間を延ばしていきますが、その際に自分の体調がどのパターンでベストなのか、を感じておくと良いです。人により最適なパターンは異なりますし、環境や時が変われば、最適なパターンが変わることもあります。
オートファジーやサーチュイン遺伝子の活性化を目的にするのであれば、16時間断食が良いと言われていますが、健康効果という意味では、14時間断食にしても良い、と言うのが今回ご紹介する研究の意味ですね。
職業や生活リズムでこの様な食事が難しい場合には、米や麺類を半分にした食事を続けるとともに、週に1日か連続しない2日、24時間固形物を口にしない、という様なやり方でも同じ様な健康効果があると言う報告もあります。
それも難しい様であれば、月に一度連続する3-5日間固形物を摂らない短断食を行うやり方もありますが、前後に準備期間と回復期間を設け、食事内容も少しずつ軽くしていったり、少しずつ通常食に近づけていく様な対応が必要になるので、知識と経験のある人の監視や指導のもとで行うことをお勧めします。
成長期のお子さんや周産期の女性は、無理に行う必要はありませんが、現代社会の多くの人が、食べ過ぎや糖質過多による栄養失調などで生活習慣病や不調を起こしていると言われていますので、体質や不調の改善のために、試してみるのも悪くないと思います。
未だに1日3食糖質タップリの食事を摂ることが大切だと信じている医師もいるので、許可を得るのが難しい場合もあると思いますが、持病のある方は、主治医に確認して許可を取った上で、自分の判断で行う様にして下さい。
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