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The Paul Butterfield Blues Band – The Original Lost Elektra Sessions (1995)

 1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルに出演したBob DylanとPaul Butterfieldが、それぞれフォークとブルースをロックという新しい形で示したのは非常に象徴的な出来事だった。もっともブルースはフォークより何年も前に電化の恩恵を受けているが、このエレクトラの初期セッションを聴けば、当時のButterfield Blues Bandがいかに成熟したバンドだったかがわかるはずだ。本作に収録された19曲は、アーバン・ブルースがブルース・ロックとして再定義された歴史的な瞬間をとらえている。
 「Good Morning Little Schoolgirl」の不敵で力強いButterfieldのブロウは、録音のラフさと相まって野性味に満ちており、また「Hate To See You Go」など、自身が影響を受けたLittle Walterの曲を積極的にプレイしているのも印象的だ。当時すでにセッション・ミュージシャンとしても活躍していたMike Bloomfieldは、ギター・ブルースの名曲「It Hurts Me Too」で熟練したソロを披露した。気鋭のアーティストらしい勢いと、本場シカゴで場数を踏んできたテクニックが生む絶妙なコントラストが聴きものである。
 大胆なアレンジこそ見られないが、「Spoonful」や「Help Me」など後進のバンドがこぞって取り上げるナンバーを、Butterfieldはいち早く取り入れて演奏している。「Lovin' Cup」は同レーベルのコンピ盤『What's Shakin'』にも収録された、貴重な初期のオリジナル曲だ。遅れて加入するキーボードのMark Naftalinは今回ほとんど参加していないが、Jimmy Odenの「Goin' Down Slow」のようなピアノ・ブルースがレパートリーに入っているのは意外な事実である。