Clear Blue Sky – Clear Blue Sky (1970)
攻撃的なサウンド、ブルージーなリフ。先進的ロック・ミュージックの重要な発信源だったヴァーティゴ・レーベルの中でも、初期Black Sabbathに次いでブルースのテイストが濃いClear Blue Skyは、メンバーが総じてティーン・エイジャーながら、非常にテクニカルなハード・ロックを聴かせる。この早熟なバンドは、イギリスのグループNirvanaの主要メンバーだったPatrick Campbell-Lyonsに見いだされた。
A面の壮大な『Journey To The Inside Of The Sun』は、緩急の効いた展開を見せるトリロジーである。「Sweet Leaf」でギターのJohn Simmsが繰り出すギター・ソロはブルース・ファンのツボを刺激し、Ken Whiteのドラムが刻むビートは常にタイトだ。しかし特に評価すべきはB面にあふれる豊かなバラエティだろう。それは「You Mystify」の心地よいルーズさであり、狂気的なフルートを交えた「Birdcatcher」の実験性であり、アコースティックな「My Heaven」の美しいメロディである。
Roger DeanによるSFとファンタジーを折衷したアートワークはそれだけでも注目にするが、ダイナミックで向こう見ずなプレイとレーベルの特色が忠実に現れたプログレッシブな展開は、間違いなく彼らの実力そのものだ。同時代の多くのバンドと同様に本作が唯一作かと思われたが、バンドは90年代以降も動きを見せており、未発表作や新録音などを散発的に発表している。