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Lee Morgan – Charisma (1969)

 このレコードはタイトルこそ『Charisma』だが、実際はリーダーであるLee Morgan以外にも多くのカリスマたちが一堂に集まって見事な快演を繰り広げた一枚である。1964年の『The Sidewinder』の大ヒットによってふたたび脚光を浴びたMorganは、ジャズ・ロックの旗手として積極的に8ビートの曲を録音していくことになる。
 事情もあって彼の60年代の作品はレコーディングと発表の時期が一致しないことが多い。『Charisma』も例外ではなく、正確に言えばOliver Nelsonビッグバンドを率いて録音した『Delightfulee』の直後なのだが、音の厚さや迫力ではこちらも負けてはいない。サックスにHank MobleyとJackie McLeanを迎えた3ホーンのアンサンブルは、時にラテンの華やかなリズムを取り入れた60年代らしいファンキー・サウンドを繰り広げるが、「The Murphy Man」での白熱したソロのリレーを聴けば、往年のブルーノート・サウンドもまた思い起こさずにはいられないのだ。
 カリプソ風とジャズ・ロックを掛け合わせた「Hey Chico」は、あくまでもマイペースなMcLeanと、Morganのソロの対比が面白い。一転してきらびやかなスイング「Somethin' Cute」で聴かれるMobleyのテナーの勇壮さから、繊細な「Rainy Night」におけるMorganの独擅場的バラードへ展開していくさまには思わずうっとりしてしまう。
 Duke Pearsonが書いた「Sweet Honey Bee」も、クセのある印象的なメイン・テーマが本作に一風変わった彩りを加える一曲である。Pearson本人も1967年にJames Spauldingをフィーチャーして発表しているが、録音自体は本作のバージョンが先に行われた。