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講義「自然現象と数学」への学生コメント
全学共通科目「自然現象と数学」はゴールデンウィーク明けまで講義停止となったため,5月12日が初回講義となった.この科目は,線形代数と微積分への導入科目であり,工学との関わりを通して新入生の理解を深めることを目的にしている(と私は理解している).
初回講義では,私が所属する研究室で取り組んでいる研究内容を紹介しつつ,いかに線形代数が重要であるかを説明した.実際,私が大学一回生で線形代数と微積分を学んだとき,それらが何の役に立つのかまったく分からず,興味を持てなかった.しかし,データ解析の研究を始めてみると,線形代数を理解せずには手も足も出ないことを痛感した.このため,特に工学部の学生には,具体的な活用事例を紹介しながら,数学に興味を持ってもらうことが重要だと考えている.「自然現象と数学」ではそれを実践している.幸い,線形代数を勉強する価値は学生に伝わったようだ.有り難い.
ちなみに,このコメントは「プレゼンをニコニコ動画みたいにする」で紹介したツールで収集した.
この講義もZoomで実施しているが,受講生からは「対面がいい」との声が聞かれた.前期のうちに叶うといいのだが,難しいかもしれない.
新入生対象の初回講義ということで,講義の8割くらいは漫談だった.その漫談の後半は新入生へのメッセージで,色々なことを話したが,例えば,「時間」の大切さと,今から10年くらいが大事だぞということを述べた.吉田松陰とか,孔子とか,セネカとか,ドラッカーとかを引きながら.しっかりと受け止めてくれた学生がいるようで良かった.
世間では授業料返却といったことも話題になっているようだが,教員と学生の意識次第だと思う.
© 2020 Manabu KANO.