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「大学生のうちに~すべき」という呪縛から脱却しよう

大学教員という仕事柄、学生から「大学生のうちにすべきことは何ですか?」という質問をよく受けます。時期が時期だけに、これから入学を控えている新入生の皆さんも、この問いが少なからず頭にあるかもしれません。

でも、この質問を受けるたびに若干の違和感を覚えます。その理由は、その回答が、今の回答者の立場から遡及して「あれをしてよかった」(あるいは「あれをすべきだった」)というポジショントークにならざるを得ないからと考えるからです。

例えば私は大学教員をしていますが、それゆえに、「大学生のうちにすべきことは何ですか」と問われれば、「それは読書でしょう」と回答します。一方、まったく別の立場の人間であれば、「アルバイトをすべきだ」と回答するかもしれません。でもここで示された回答は「すべきこと」というよりは、自分が「してよかったこと」(あるいはしなくて後悔したこと)に過ぎません。ですので、この問い自体に意味がないとは言いませんが、そこで得られた回答を絶対視しない方が良いと思います。

もっとも大学生や、これから大学に入学を控えている新入生がこうした問いを発したくなるのも致し方ない側面もあります。なぜなら大学生になったとたん、突然、生き方の正解がなくなるからです。
でも、上述したように、その問いを発しても普遍的な正解は得られません。なので大学生やこれから入学する皆さんには、「大学生のうちに~すべき」という呪縛から脱却して、自分がしたいことして大学生活を過ごして欲しいと思います。




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