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【病院で働くということ】・・・Vol.28:外科医という仕事と求められる適性

「外科医」という仕事


外科医という仕事にはいろいろな業務があります。
一般的に言われるのは「手術」を仕事の中心に据えた業務ですが、
私自身は内視鏡もやるし、病棟業務や健診業務、
さらには小規模病院に異動した現在では、内科疾患全般を診療する通常外来も行います。

手術という侵襲を伴う治療を行う以上、患者さんの術前・術後の状態管理は厳密に行う必要があります。

また患者さんやご家族からの信頼を得るためには多くの時間をかけて準備を行い治療内容の説明を行うだけでなく、治療後の経過も適切なタイミングで報告するなど、常に配慮が求められます。

さらに手術室・病棟・外来(救急外来を含む)・検査室などに在籍する院内の多くのスタッフをまとめ、情報を共有し、治療方針を立てていくためのリーダーシップ、そしてそれを続けていくエネルギーも不可欠です。

それ故に大変で苦労も多いものではありますが、この仕事に従事することによって得たやりがいと充実感は何物にも代えられず、さらにはありがたいことに患者さんやご家族からの感謝の言葉をいただきました。そのことが25年以上外科医を続けられた理由だと思っています。

外科医の本質


もはや「王様」然とした外科医が診療を一人で回していくことは現代の医療では不可能です。

外科医はオーケストラでいえば指揮者であり、時にはソロアーティストであり、舞台監督もやりつつ公演のプロデューサーもこなすマルチプレーヤーでなければいけません。

当然ながらその人間性・存在感自体も問われることになります。

よくテレビドラマでは飛び抜けた技術を持つスーパードクターが手術をすすめていく場面に遭遇しますが、手術現場で長く仕事をしてきた身からすると全く現実離れした感じがしています。
もちろんフィクションにはエンターテインメント要素はつきものであるのですべて否定するつもりはありませんが。

現実の世界では、外科医として著名な医師には必ずと言っていいほどその医師を支える多くのスタッフがチームとして活躍しており、リーダーである外科医はチーム内で共有される様々な状況判断や要求に応えるための不断の努力が必要とされるといっても過言ではありません。

 そしてそのようなチームを束ねていけるリーダーこそが真の優秀な外科医でだと思います。

 若い医師の人たちの外科医離れがすすんでいることは長く外科臨床に携わった身としては寂しい気もしますが、大変な仕事でも報酬的にも精神的にも十分に見合うものが得られれば、まだまだ外科医を志す若い世代の先生はいるはずだと思っていますし、そういう医療界になるように陰ながら応援したいと考えています。

 消化器外科医になった経緯をまとめた過去のブログです↓
 ご参考までに…

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