【病院で働くということ】・・・Vol.23:その人がいないと回らない現場はどうなのか
その人がいると出来る業務
その人がいないと出来ない業務
言葉としては同じようですが、実際にはかなり違います。
特定の人のみが出来る業務は、その人がいなければ出来ないことを意味しますが、職種により業務内容が異なることを指すわけではなく、同じ職種であっても特定の人しか行えない業務がある場合に問題となります。
業務の属人性と関係性があるといわれています。
業務の属人性とは
特定の業務が個々の従業員の特定のスキル・知識・経験に強く依存している状態を業務の属人性が高いといいます。
具体的には個人の技量や経験、感覚的なものが大きく反映される状況や要素を指すことであり、対象の業務が一般化されていないことを示すことが多いようです。
医療現場における属人性
医療現場において属人性が問題となる場合はどういった場面でしょうか。
その患者さんのことはその人しか分からない、
その業務は他の人では代行できない
などなど。
多くは情報の共有が不十分であり、特定の技術や技量が個人に依存していることが原因です。
個人医院など、医師が診療を一人で行う場合にはこの属人性という言葉は当てはまりません。
しかし病院において複数の医師、その他医療スタッフがいる場合、同じ職種の人がその業務を代行できない場合は大きな問題です。
「この患者さんは○○先生しか診察しない」
「この指示は他の先生に聞いても分からない」
こういった状況が診療の現場にあることはは患者さんにとって望ましくないと思われます。
医療機関における診療において大切なのは継続性です。
診療の差別化や特色を出すことは大切ですが、属人的な医療が患者さんの不利益になってはいけません。
通常業務における標準化は、診療の継続性を保つ上で非常に大切な要素です。
医療機関として個性は出すことを目指しつつも、日常診療においては
患者・医療機関・診療情報をスタッフ間で共有し
業務を可能な限り分担・代行可能な状況にする。
持続可能な診療を目指すことが大切です。
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