【旅行記】ワーカホリックの内科医が約1ヶ月タイに滞在して気付いた2つのこと🇹🇭
自身がワーカホリックと気づくまでのストーリーはこちら▼
光と影
2024年5月末日、ついに世界一周がスタート。バンコク スワンナプーム空港に1人のロン毛医師が降り立った。
問: なぜ最初の国がタイなのか?
答: なんかバックパッカーっぽいから。
もありますが、
一番の理由はワクチンをお得に打つためです▼
バックパックに詰める荷物は大分厳選したつもりだったけど、結局大荷物。
背中とお腹に大小のリュックを背負ったおしゃれ度0の the バックパッカースタイル。
事前情報通り空港内は死ぬほど寒い。
熱帯バカンスに来たつもりなのにまるで地方の遊園地にある「北極を体験してみよう!」みたいな巨大冷蔵庫に閉じ込められた気分。
成田-タイ間のフライトは約7時間。着陸時に流れるタイ航空公式のBGMがとても良かった。
「Fly with Me (Be My Love) 」この曲はタイ人男性歌手のTomさんが歌っているが、歌詞は比較的簡単な英語。
うーん、エモい!
そして空港直結のエアポートリンクに乗車。
約30分でバンコク中心地、宿最寄りのペッチャブリー(Phetchaburi)駅に到着。
「プシューーー。」
電車の扉が開く。
大きな半円形の一枚屋根の開放的なホームへと歩みを進める。ホームに一歩踏み出した瞬間、「ゴオォォォ」と熱帯の風が体を包み込む。
キンキンに冷えた冷蔵庫の外は灼熱だった。
やっと自分はタイに来たのだと実感した。
バンコク最初の宿はAirbnbで借りたタワマンの1室。宿代は脅威の1泊2000円。バンコク市内ではドミトリー・ホステルを除いて破格だ。
ペッチャブリー駅からは徒歩15分程の距離。
タイの酷暑シーズンの快晴ド日中、ものの数分で全身から汗が吹き出る。
バイクのおっちゃんに「後ろに乗るか?」と聞かれたが、このどデカいリュックを背負ってノーヘルバイクに乗る勇気はない。
宿の近くに着く頃には、滝行後ですか?と言わんばかりの全身びしょ濡れ。
部屋まで案内してくれたお兄さんに、
「Thailand is so hot, right?」
とドヤ顔で言われたのを覚えている。
<部屋からの眺め>
上記写真でも何となくわかりますが、奥手に高層ビルが乱立する中、手前は雑木林の中にボロボロの平屋が密集しています。
「世界一貧富の差が激しい」と言われているタイの実情が伝わってきました。
光が強く当たれば影はその分濃くなり、人は明るく照らされたモノに目が奪われる。しかしその裏には、光の強さに比例する影が必ず存在することを忘れてはならない。
ワットポーやワットアルン等のいわゆるthe 観光スポットには興味が沸かなかった。
「とにかくこのタイという国、タイ人の生活を肌で感じたい」と思った。
その後は2週間くらいかけて、地下鉄やモノレール、Grabバイクを利用し、バンコク市内の街を回りまくった。
豪華絢爛なショッピングセンター街から地元民御用達のローカルマーケットまで。おかげでお腹も壊した▼
バンコクの勢い
2週間かけてバンコクを渡り歩いた結果、一つ分かった事がある。
それはタイはこれから、とんでもなく伸びる国 だということ。街の勢いが半端じゃない。
バンコクの都会は、場所によっては東京すら凌駕する勢いで発展し、その速さに周囲も追いつけずにいる。
狂気じみた交通渋滞、止まることを知らないインフレ。高度経済成長期の日本もこうだったのだろうか。
目まぐるしく移りかわる日常。タイ国民も疲弊しているはずなのに、街全体は活力に溢れている。
「いまの自分にはこの活力が足りていない」
そう感じた。
"活力資産" とでも言おうか。
高校生、大学生時代は受験や部活に全身全霊で打ち込むことが出来た。それが社会人になって月日が経ち、いつの間にか活力資産が底を着きかけていたのだ。
活気あふれるバンコクを、活力資産に満ちていた昔の自分に重ねてしまったのだ。
マイペンライの精神
街中を探検し、たくさんのタイ人と接してわかったことがある。
それは皆、良い感じに "ゆるい"
暇な時は仕事中でもスマホをいじったり、おやつを食べたり、談笑したり。日本では一発解雇になりそうな案件。
タイ人は、束縛や拘束を嫌うらしい。自分のことは自分で決めたい。つまり、自由でいたいのだ。
とても利己的な個人主義のように思えるが、一方で、タイ人はとても人づきあいが良く、協調性も大切にするし、謙虚でもある。
これは タイ的自由主義 と言われる。
もともと「タイ」には自由という意味があるのです。こうしたタイ人の考え方を象徴するものが、「マイペンライ」という精神だ。
マイペンライは様々な場面で使われる。
例えば、だれかが問題を起こしたとき、「マイペンライ」と言うと、「問題ない」とか「大丈夫」「どうってことない」「気にしないで」という意味になる。
逆に、自分自身に対して言うこともある。そのときは、「しょうがない」「なんとかなる」というような意味になる。
「マイペンライ」には、問題が起きたその状況に囚われずに、それより先のことを考えようという前向きな考え方があるのだ。
社会人になってからというのも仕事のミスが怖く、心配してもしょうがないこと、起きうる可能性が低いことまで気になって神経を擦り減らしていた。
24時間365日いつ病院からの電話が鳴るかわからない状態で、スマホは肌身手放させなかった。
そんなスマホ依存だった自分だが、タイに来てからいつの間にか通知も気にならなくなっていた。
観光ビザ期限ぎりぎりの約1ヶ月のタイ滞在で、自分に足りなかったのは
①物事に没頭する活力
②マイペンライの精神 だと気づいた。
ご覧いただきありがとうございました。
著:Dr.クレヨン