土の中にひそむ怪
河童は川に棲むものとされているが、時に地面の中に棲むこともある。
秋田につたわる民話の中の話だ。
草一つ生えない荒地があり、そこに人が立ち寄ると、地中から、”べとろ”なる妖怪があらわれ、人の尻子玉を奪うというのがある。
奪われた人間は、まともに立てなくなり、そのまま、命尽きるという。
その、姿が亀のような甲羅を身に着けており、鶏のような嘴で緑色をしていると、伝えられる河童によく似ているのだ。
泥田坊の一種とも思われるが、それにしても、土の中にずっと潜んでいるとは恐ろしいものである。
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