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親友を洗ってあげる
家族の次に長い付き合いの人がいる。
人じゃないか、ユニバで買ってもらったスヌーピーだ。
2002年にユニバに行った時に買ってもらったからもう22年の付き合いになる。なぜそんなに細かい年まで覚えているのか。それは2002年の私がご丁寧にスヌーピーのタグに2002年と書いていたからだ。その時から長く大事にする気満々だったのが分かる。
くたっとうつぶせ寝の状態のスヌーピー。抱っこしやすいしかわいい。小さい時はよく抱きかかえてたし、一緒に寝ていた。
最近は一緒に寝ることはなくなり、机の上で寝転がせている。そこにいるのが当たり前になっていて、家族のような存在だ。
そんなスヌーピーに危機が訪れる。
「汚すぎる」という理由で捨てろ宣告を親から出されてしまったのだ。たしかに20年以上可愛がっている私から見ても汚い。スヌーピーは白色だから余計に汚れが目立つ。
汚すぎるという理由で20年以上一緒にいる親友を手放す訳にはいかない。そうなると選択肢は1つしかない。
よし、スヌーピーを洗ってあげよう。
洗濯機には入れたくないし、クリーニングもなんか信用出来ない。それなら自分で洗うしかない。
ぬいぐるみを洗うと中の綿が水を吸ってしまい、綿を入れ替えなければいけなくなるものもあるというのを聞いた事がある。手術が必要となるとかなり大がかりだ。とりあえず右腕だけ洗ってみて、スヌーピーには手術が必要かどうか確かめることにした。
結果は1日で乾いた。良かった、手術は必要なさそうだ。てか右腕を洗っただけで左腕との差がすごい。めちゃくちゃ白くなってる。
早く洗ってあげれば良かった。
いざスヌーピーの全身を洗ってあげる。洗っている時、買ってもらった時の事をなんとなく思い出す。家族みんなでユニバに行ったのはその時が最初で最後だった。そこからいろんな事を思い出して泣きそうになってきた。
泣きそうになってきた頃、スヌーピーを洗った後の水が汚なくてドン引きした。え、こいつこんな汚かったの。ほんと早く洗ってあげれば良かった。
形が崩れないように脱水し、室内に干す。
風邪引かないように早く乾くといいねと思いながらうつぶせで寝転がせる。
年末の大掃除が終わったかのような達成感だ。