好きでは無い音楽レビュー

僕は音楽が好きなのだが、音楽レビューを読むことも好きだ。雑誌やメジャーな情報サイトも良いが、個人で書いているブログやnoteのがより良い。本人の主観や趣味趣向が丸出しなほど他にはない感想や考察があって面白い。しかし音楽レビューにも苦手なタイプがある。それは必要な前提知識が多すぎるものだ。

「~の文脈にあり」「~のセンスを感じさせる」など過去のアーティストの名前が多く登場する記事がある。多いものだとアルバム1つの記事に対して10組のアーティストの名前が引用されていた。これが苦手だ。アルバム1枚聞くのに10組のアーティストを知らないといかんのか。まるで義務教育か必修科目だ。そもそも似てるだの~風だのそれは当人に失礼な気もする。

個人的には疲れる。名前が出るたびに思い出したり調べたりしないと進まない。読んで一番にわかるのは筆者がたくさん名前を知っていることだけだ。楽曲に対する印象や感動は僕にはあまり伝わってこない。かしこまった文体でも言っていることは結局「~に似てる」にすぎないと思ってしまう。若しくは筆者が知識を披露して気持ちよくなってるなーぐらい。

分析するならリズムやコード進行といった技術的な方向の方が興味深い、ただの感想なら筆者の感性全開なほど独創的で楽しい。こういう方向のレビューは好きだ。一方でアーティストや歴史の羅列はレビューというよりお勉強なのでレビューとしては面白みに欠けると思ってしまう。この雰囲気が何かに似てると考えた結果、それは一見さんお断りの身内ノリがすごいジャズバーに入ってしまった気まずさだった。





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