殺陣を求めないでくれ

僕は話し合いが苦手だ。苦手と一口に言っても色々なタイプがあると思う。自分の意見を主張できない、相手の話を聞けないなど。僕はどちらでもない。自分が妥協点を出した時に相手が一歩も引かないことを確認した瞬間に話し合いを放棄したくなるという症状だ。

僕は話し合いの目的は2つあると思う。一つはお互いが意見を出し、正確に目的などを理解すること。もう一つは妥協点を探ること。僕の考えでは片方が全く引かない場合、これは話し合いではない。討論や勝負だ。

こっちが一歩引いても相手が引かない。この瞬間僕は「相手はこっちが100%折れて意見を全部飲む以外の終着点が頭にない」と考えてしまう。そこで2択。正面から論破しにかかる、若しくはさっさと折れてあげて100%をゆずる。基本的に論破は時間と体力を使うし、関係性も悪くなる。つまり後者一択だ。もう喋る意味がない。

一歩引いても相手は満足しない。つまり二歩三歩と相手が満足するまでオークションのように釣り上げることになる。これは話し合いではない。そこで僕は完全にやる気をなくしてしまう。もう一人で好きにやってくれというかんじだ。

ここで終わってくれればまだいい。性質が悪いのはこっちが土俵を降りようとすると、話し合いを放棄するなと言い出す人だ。どうやらその人の中では話し合いは終わっていないらしい。最後まで意見を出し合い、建設的な話し合いがしたいように見える。全くこっちの意見は採用する気がないのに。採用する気がない意見を出させて、自分の意見を10:0で通すという無駄な時間が過ごしたいようだ。要は殺陣で上手いこと斬り掛かって来い、俺がかっこよく反撃するからということだ。

なんで僕がそんなオナニーに付き合わないといかんのだ。お前が気持ちよくなるために動いてほしいならギャラをよこせ。あわよくば助演男優賞も。

相手の意見を取り入れる気が無いのに話し合いをしている気になっている人はその自覚がない。有意義なことをしているようで相手にとっては時間の無駄だ。恐らくこの斬られ役が上手い人はコミュニケーションに長けた人ということなんだろう。僕はそれができない。常にセメントマッチ専門なのでそういう役は別の人にオファーしてくれ。若しくは意見を取り入れる姿勢を持ってくれ。