私が"下流貴族"と呼ばれる所以
安物買いの銭失いという言葉があります。
私の父親は典型的な“安物買いの銭失い”をし続けるタイプでした。
ネットで、パッと見では立派に見える3000円くらいの腕時計や、まるで一流ブランドのような見た目をした商品を買っては、やれ時間が合わないだの、すぐ壊れただのと嘆いているタイプの人間でした。
還暦を迎えて多少の審美眼を得たのか、失敗も減ってきたようですが、私が学生の頃の父親はとにかく安い物を一回買って、後悔してこっ酷く母親に怒られてから、ちゃんとしたブランド製品を購入しているというサイクルを繰り返しているタイプだったと記憶しています。
そんな父親を横目に見て育ったからか、私は“安物買いの銭失い”を恐れるタイプに育ちましたが、見栄っ張りな性格は受け継いだようです。
腕時計に関しては、ネットにあるような謎ブランドの立派に見える製品は買わないようにしています。しかし、有名ブランド製品を安く買いたいという面倒な気質になってしまったのです。
私の腕時計の買い方は“有名ブランド製品を中古で安く買う”という手法です。
カシオで言えばチープカシオが有名です。新品でも実店舗で大体3000円程度で買えるのですが、私はわざわざ動いていないジャンク扱いのチープカシオを買い、自分で電池交換をして使うという買い方、使い方をします。
1本2本だったら可愛い物ですが、私は手元に10本近いチープカシオやカリキュレーター、TIMEXのクラシックデジタル・ウィークエンダーを持っています。どれも1本500円〜1000円程度で買ったので、電池代を考えてもトータルで2万円弱程度の出費です。
腕時計のみならず、洋服もボロボロの安いヴィンテージ品を見つけては仕立て屋さんに出して、それなりの見た目に仕上げていただいたのが数着あります。まともに買えば10万円もくだらないようなジャケットもオリジナルに拘らなければ1万円程度で着れたりします。
車に関しても、どうしてもデカい車が欲しくなり買った30年前のステーションワゴンを1台サブで持っているのですが、見た目はボロでも、機関にしっかりと手を入れていた車両だと確認した上で選びました。同年代の車両はどれもプレミアが付いて妙に高い値段設定なのですが、見た目のボロさが相まって、私が乗っているのは車両本体額で言えば25万円です。今日日V6エンジンを積んでサンルーフが付いて、パワーシートが付いて、旧車に片足突っ込んだ車を25万では買えません。
車の話に関しては、私の書いた下記noteでも書いていますので、読んでいただけたら幸いです。
上記のような私の物の買い方をしているのを、バックボーンを知らないで側から見ると“とんだ道楽人間”と思われるようです。
そうして、ついたあだ名が下流貴族という名誉なのか不名誉なのかよく分からない称号でした。
会社などで腕時計の会話になれば
『この前腕時計を新しく買いまして…もう10本目ですよハハハ』なんて言えば
『お金あるなぁ!!貴族だな』
なんて言われますが、上記の“カラクリ”を話している内に、いつからか付いたあだ名です。
貴族という文字もおこがましいとは思いますが、私は結構ピッタリなあだ名だと思っています。
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