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君はCOMITIA151の影で開催されたCOMIC SHOWER横手を知ってるか~サブカルチャーで地方を創る~

 2月16日に東京ビックサイトでCOMITIA(コミティア)が開催されました。そして同日、秋田県横手市でCOMIC SHOWER横手が開催されました。

 まず、コミティアとは何ぞや

 ざっくりとまとめると同人誌即売会です。

 正直、私もコミックマーケット(通称:コミケ)と混同していたのですが、コミティアは、参加作品が全て著者のオリジナル(一次創作)であるという事が最大の特徴です。また、作品も幅広くマンガのみならず、イラスト・評論コラム・小説など多岐にわたる部分も特徴となっています。中でも、東京コミティアと呼ばれる年4回東京ビッグサイトで開催されるイベントは、先日の2月16日の開催で151回目を迎え、一次創作の同人誌即売会としては歴史も規模も最大級を誇ります。東京以外にも仙台や大阪などで年数回の中規模のコミティアがあり、そちらは一般的に地方コミティアと呼ばれています。

 では、COMIC SHOWER横手とは何ぞや

COMIC SHOWER(以下、コミックシャワー)横手とはコミティア同様にオリジナル作品の即売会です。今回は『ぬくもり』を共通テーマにした作品が販売されているようでした。

 主催は創作活動情報発信WebメディアのDounats(ドウナツ)様になります。コミックシャワーの開催は今回が初回となっており、参加サークルはプロアマ問わずで8サークルと、地方コミティアと比較してもごく小規模なイベントでした。


 今回私がコミックシャワーに足を運ぶキッカケとなったのは、秋田県の増田町にある横手市増田まんが美術館に訪れた際の事です。私がコミックシャワーのイベントフライヤーを見つけ一緒に訪れていたパートナーが珍しく『行きたい行きたい』となり、2週連続で秋田県に足を運ぶ事となりました。

 私が"提督"だった8年ほど前は、同人誌や一次創作物をよく買い漁ったものでしたが、ここ最近は最早オタクコンテンツというものにほぼ触れておらず、VTuberを休日にほんの少し見る程度になってしまったのです。従って、パートナーはまだしも、私はコミックシャワーに対しては最早懐かしさすら感じており、来場するにはあまりに"場違いすぎる"のでは無いかと内心ハラハラしていました。

 しかし、そんな風に敷居を高く感じるようなのは全くの杞憂でした。

 サークルの皆さんも明るく、説明が明朗快活で私の手持ちさえあれば、全サークルで1作品ずつ購入して帰りたい気持ちになった程です。

 個人的にこのイベントは、コミケのようにアニメ・マンガと言った"二次元作品の即売会"というよりかは、クラフトマーケットに近いようなアットホームな雰囲気を受けました。

 今回のコミックシャワーで購入した本は私は2サークル様より計3冊、パートナーはもう少し買っていました。

 私が購入した本の内容は、"セブンティーンの解析本"と"サークル設営の同人(紹介)誌"・それから実際にマタギ(猟師)に弟子入りした方が売り子を務めていたサークルが出版していた食に関するアンソロジー本です。

 他にも純粋な一次創作のマンガやアクリルキーホルダーを販売していたサークルや、動物専門のイラストやグッズを販売されていた方、アート作品を販売していた方など、多岐に渡るジャンルと媒体でした。このように、作品の形態が幅広いのもクラフトマーケット感を感じる要因の一つと言えます。
 個人的にはマタギに弟子入りした方が売り子をしていたのが、秋田県開催らしさを強く感じさせるものとなりました。


 楽しい会場であった一方で、地方における創作活動やこのようなイベントに対する世間の、或いは東北地方のイメージを垣間見るシーンもあったのです。

 実は、今回のコミックシャワーの会場は横手市にあるY2(わいわい)ぷらざとう交流センターで開催されており、尚且つ2月16日は横手かまくら祭りの開催日でもあり、往来の人数はかなりのものでした。もちろん、当日にコミックシャワーが開催されている事を知らずに訪れた方が居る事も容易に想像できます。イベント会場に通りかかって、それこそクラフトマーケットだと思い入った方が、アニメ調の女の子の絵を見た途端に顔をしかめて会場を後にしたり、子供は見てみたいと言っていても親御さんがダメと言って手を引いているといった様子も目に入りました。

 正直、私の体感では未だに東北地方ではアニメ・マンガと言った二次元文化は"マンガっこ"と子供のお絵描きの延長線上のような捉え方をする方が多いのも事実です。私は父親が"古のオタク"だったので、こういったサブカルチャーには家族も寛容でしたが、いつまでもマンガなんて、アニメなんて、と全く受け付けない人どころか世帯があるくらいなのが地方の実情です。

 したがって、私の同級生でも学生の頃は、絵がとても上手くマンガ家やイラストレーターにもなれるんじゃないかと言う人は居ましたし、本当はそういった道に進みたいという人は居ました。しかし、東北地方でイラストや漫画家の道を進むルートは皆無とっても等しく、更に家庭の事情などで故郷を離れる事が難しいなんてパターンにもなってしまうと、みんな進学や就職をするにつれて、そういったサブカルチャーから遠ざかってしまうというがほとんどです。


 秋田県や山形県と言ったは西東北地方は、東北6県の中でもご当地萌えキャラやご当地VTuber・痛車イベントなどサブカルチャーイベントが早くから定着している県です。

 私はこういったサブカルチャーに地方創生のヒントがあるのでは無いかと考えています。

 私自身、アニメのイベント参加や聖地巡礼或いはご当地VTuberのグッズを買いに、車中泊で岩手から関東まで向かったりする人間です。しかし、イベント会場では沖縄から或いは北海道からなんて方もいますし、最近では海外からなんて人もいる規模にまでなりました。オタクの行動力というのは本当に凄まじいと感じます。

 また、私のパートナーが完全リモートワークで漫画家のアシスタント業務に携わっているように、イラストや漫画を描きたいという夢を持った方が地方に住みながらでも活躍出来る時代になりました。これを規模を大きくすれば、地方に新しい雇用の形を生み出す事も可能です。様々な事情があって地方では埋もれてしまっていた才能が、今の時代なら惜しみなく芽吹く可能性もあるのです。

しかしながら、先ほど書いたように、地方ではサブカルチャーが根付き辛いのが実情です。しかし、イベントを継続して開催し、規模を大きくしていく事で、その意識を必ず変えていく事は出来ます。その為には、コミックシャワーのような“地方の創作活動のコミュニティ”というのにスポットライトを向ける必要があるのです。

 今回私のnoteを読んでDounats(ドウナツ)様の活動に興味を持った方は、リンクを下記に貼り付けますので、是非読んでみて応援してください。そして、何よりも今後もこうした地方の創作イベントに参加して盛り上げてください。

 いつかコミックシャワーが東北地方における創作活動の1大イベントとなり、そして、地方から新しいサブカルチャー文化・作品が生まれる事を祈って今回のnoteを締め括ろうと思います。

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