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重川俊
2022年10月20日 09:00
時の流れが逆行していく。減少する、エントロピー。そしてぼくは、軽功をもって雷霆の一閃を回避する。安堵の一息。全ての条理は無事に世を遡って還ってきたのだ。 無傷の君を、腕に抱きかかえる。(二)続↓──おかしい。巨頭は訝しんだ。時空を超えて未来へ跳躍する霹靂柱の雷霆は狙いを過たない。あの時、たしかに標的を捉えていた。逃すことはあり得ない。否。巨頭は邪眼をもって望界する──事