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重川俊
2021年2月25日 09:10
その日、ヴィジランテは驚愕した。 彼以外に特異な存在がいるはずがなかった。 彼は俗に言う私兵だった。夜な夜な街に繰り出し、世に蔓延る悪に誅罰を下して悪漢の体にVの烙印を刻み去っていく。犯罪者達は一様に彼を酷く恐れ、治安組織ですら彼を捕らえることはできていない。彼の纏うグラファイトの鎧は銃弾を受け付けず、また、戦車の砲弾すらも凌いで見せる、一国の軍事力に相当する代物だった。 このように彼が強