【決定版】正しい糖質制限食の取り入れ方②(指導者向け)

前回の記事では、

* 糖質制限には様々な種類や提唱者が存在する事
* それらは、ケトーシスに誘導するかしないかに大別することができること
* ケトン体は身体にとって安全な物質であること

を説明しました。今回は、数多く存在する糖質制限食をどのように取り入れれば良いのか、方法に合わせて説明していきます。

何グラム、何パーセント制限すれば良いのか?

糖質制限は身体に良いとか悪いとか、様々な意見が飛び交うのは、「何グラム、何パーセント制限すれば糖質制限食なのか」という定義が全く存在していないこと、また存在していないことが知られることなく、「糖質制限食」として一緒くたに議論されることが原因の一つといえます。ある提唱者は、糖質を0に近づけるレベルの糖質制限について「悪い」と論じ、一方で別の提唱者は、1日130g以下に設定する糖質制限食を引き合いに出して「良い」と論じ、両者の意見を聞いた人は混乱し、どの情報を信じて良いのかわからなくなる、というケースを多く目にします。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、炭水化物の摂取量を「総エネルギーの50~65%」と設定しています。これはつまり、ある人の摂取エネルギーが2000kcalであった場合、1200kcalを炭水化物から摂取しましょうということです。炭水化物1200kcalというと、大体おにぎり7~8個くらいに相当します。これを0にしようが、3個にしようが、「糖質制限食」であることに違いはないのです。

食べ過ぎているなら、とりあえず減らす

1ヶ月前の体重と比較して、今の方が重いとするならば、それは多くの場合食べ過ぎです。炭水化物が多いタイプか、脂物が多いのか、総エネルギーはどのくらい削減する必要があるのか、それらの調査をまず行う必要はありますが、太っているなら糖質の摂取量を制限する必要があるでしょう。この場合は、最低限維持をするレベルの糖質量に設定すればOKです。もともとが食べ過ぎていたわけですから、ここでは一般的に言われる糖質不足の諸症状について心配する必要はないでしょう。

糖質制限食を行うなら、ケトーシスを狙うべき

糖質制限食反対派の意見や研究には「それケトーシスになっていないでしょ」で片づけられるものがかなり多く存在します。ケトーシスとは、体内にケトン体が多くあり、多くの組織がケトン体を利用している状態のことです(血中ケトン体が0.5mM/L以上)。ケトン体が多く作られていない状態で糖質をカットすれば、エネルギー切れや筋肉量の低下が起こるのは至極当たり前の話であり、まずはケトン体が多く作られる体内環境に誘導する必要があるのです。

ケトーシス(ケトン体質)に誘導する方法

私が指導させて頂くクライアントの中には、過去に厳密な糖質制限を行うも、一度も尿ケトンが出なかったと訴える方が多くいて、そういった方々をケトーシスへ誘導する指南をは、これまで数えきれないほど行ってきました。ケトーシスになるために必要な条件とは、

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