帰国子女の悩みと強み|多文化で育った経験を活かす生き方について考える
こんにちは、雨雲です。
いよいよ年末まで残り2日となりました。
皆さまどんな年末をお過ごしでしょうか?
私は大掃除を終えてひと段落しています🧹
はじめに
「帰国子女で転勤族 | アイデンティティクライシス」という記事を書いたことがきっかけで、同じような体験談を共有している方々と繋がることができ、とても嬉しいです。
数年前に日本へ帰国した頃と比べると、帰国子女に関する記事が増えているように感じます。
当時は少ない中でもいくつか記事を読んで、自分が抱えている悩みが少しずつ言語化できるようになり、記事に助けられたことがありました。
同じように悩みを抱える帰国子女へ向けて、また自分のためにも帰国子女というテーマで記事を書きたいと思います。
帰国子女に対する誤解や固定観念
海外に住んでいましたというと、「アメリカではどうだった?」と高校の先生に言われて驚いた経験があります。
帰国子女=アメリカという先入観を未だに持つ人がいる事に驚きましたが、実際には帰国子女と言っても期間や時期、日本人学校かインターナショナルスクール、現地校などどこに通っていたか、どの文化圏にいたかによってその人の色は様々なのです。過去に私が出会った中にもドバイ、フランス、中国、イギリス、アメリカ、カナダ…色々な国から来た人がいました。
当然のように語学が堪能だと思われ、努力して身につけたものが楽に身について羨ましいというような言い方をされることもあります。
留学のように自ら海外へ行くことを選んでいるのではないという事を忘れられがちですが、小学生や幼稚園のまだ発達段階の子供がそれまで慣れ親しんでいた環境から離れて突然異国の地に放り込まれるのを想像してください。大きなストレスや不安の中生き残るために必死で語学を身につけるのです。
学生の時に、自分の意見をはっきり言ったりリアクションの大きい帰国子女を見て、「帰国子女は態度が大きい」と批判されている場面を見たこともありました。
良くも悪くも「帰国子女」に対して良いようにイメージを持たれている部分があるなぁ…と思う時も。
自分の出身のことを隠していた時期がありました。自分の出身について話すだけで「色々な国にいて羨ましい」と言われ上記のような反応をされてはたまらないし、自慢話のように聞こえているのでは…と思った事もあります。
自ら帰国子女だということを明かさず、必要でない限り話さないという人も少なくないです。
自分の出身の話ができないのは結構辛かったので、最近はわりと言っています。
社会人になってから今の職場では海外の方も多いので言いやすいからでしょうか。自分らしくいられる環境は大切だと思います。
帰国子女の悩み
よく帰国子女の書いた記事に「根無草」という表現を見ますが、自分のルーツやアイデンティティについて分からなくなることがあるというのは帰国子女共通の悩みだと思います。
「根無草」という表現は、自分がどこに属しているのか分からない、あるいは特定の文化や国に対する帰属意識が希薄になることを指します。帰国子女にとって、複数の文化や国を行き来する経験は視野を広げる一方で、自分のアイデンティティが曖昧になることがあるのです。
日本では「外国的」と見られる一方で、海外では「日本的」と見られるなど、どの文化にも完全に馴染めない感覚を持つことがある。海外生活の経験を周囲が理解しづらいため、「変わっている」と見られたり、自分の経験や感覚を共有できる相手が少なく孤独を感じやすい状況が多く、
「自分は何者なのか」や「自分の居場所はどこにあるのか」という問いに直面することが多いのです。
「根無草」は帰属意識だけではなく、心理的な安定も指していると思います。
発達段階の子供の頃から大きく環境を変えたり異なる教育を受けると言語の発達が遅れたり、精神的に不安定になりやすく、
こういった状況では、自分の文化的背景や価値観について理解して、環境にどの程度適応していくかを決めて、自分に合った居場所を見つけて安心することが課題になると思います。
私は自分のアイデンティティが必ずしも国に帰属しなくても良いものだし、自分を構成するのはこれまでいた環境や経験だと考えました。
「文化が混ざり合う場所」でしか生きられないと自覚した後は、そういう環境を探すことにこだわることで、今の環境を見つけました。
良いとこ取りしたい
海外はアバウトでフランク、個人主義で個性や自分の意見を大切にする、日本は細かく丁寧、集団主義で協調性が高いなどどちらの文化にもいい面悪い面があります。
2つ以上の文化で育った場合、どちらの文化にも柔軟に適応できるように独自の価値観や判断基準を持つようになる事が多く、例えば合理的かどうかや、倫理的に問題ないかなどをもとに自分の考え方をつくるようになると考えています。
これは個人的には語学力以上に帰国子女であることの強みであり魅力だと思います。
日本か海外どちらが良いかと聞かれたら、海外のマインドの方が方が気楽で生きやすいと思います。だから仕事は多国籍な環境でしたい。ただ、日本の安全さとサービスの品質の良さや、日本固有の文化の美しさ、娯楽の充実やご飯の美味しさ他の国にはない魅力があり、そこが日本に住む魅力だと感じます。どちらにもそこそこ適応して良いとこどりしたいというのが私の考えです。
帰国子女として培ったものが活かされた経験と強みを活かした生き方
帰国子女としての経験は、自分の人生観や感性に大きな影響を与えていると感じます。自分の軸を持ちながらも、他人の意見を否定せずにまず理解しようとする姿勢は、同じ価値観を持つ人や、自分を受け入れてくれる人たちとの出会いに恵まれるきっかけになっていると思います。
ドメスティックな環境で生きられない場合、語学はできるに越した事はなく、帰国後に改めて英語を勉強し直して身につけましたが、その選択が今の自分を助け、幸いにも多国籍な環境で語学力を最大限に活かしながら働く事ができています。
もちろん基本的なビジネスコミュニケーション力や、業務や専門の知識があってこそ英語力が活きて初めて重宝されているのだと感じます。
まとめ
帰国子女にとって日本社会で生きることは生きづらいことも多いですが、その強みを活かせる環境を探しながら適応する方法を模索することで、充実した生活を送ることができると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました✨