#03 創作ごとのバリエーションを深掘りしてみた
同人作家さん専用のTwitter風チャットルームをつくって、ユーザーさんに入っていただいたのが、2019年10月です。
まだその頃はオフラインのイベントが盛んで、直接会って話もできる。それでもオンラインでなら、たくさんの作家さんが時間と場所を超えられる。
そう思って、じっくりDounatsベータ2を開発するつもりでした。
新型コロナで、できることがわからなくなった
リリースの2か月後から、新型コロナの影響を受け始めました。それは突然というより、じんわりと日常の風景が変わっていった感じ。
最初はマスクがなくなり、なぜかトイレットペーパーがなくなりました。当時勤めていた会社はリモートワークに切り替え。次々とイベントがなくなり、5月に予定されていたコミックマーケット98も中止が決まりました。
ベータ2に参加してくださっていた作家さんの中には、同人誌を印刷してもイベントに参加できない、といった戸惑いの声もありました。
Dounatsとしてシステムをつくっていくのではなくて、どんな企画や場を提供できれば良いのかと考えてもみましたが、何がなんだかわからなくなってしまい..
そんななかの初めての緊急事態宣言。発出中に何かできないかとモヤモヤして思いついたのが、同人誌印刷所の紹介ページをつくるということでした。1日1社ずつ1か月ほどかかりましたが、まずは公開してみました。
驚いたことにコロナ禍にも関わらず、記事はアクセスされていました。周りの風景は変わってしまったけど、創作・同人活動は変わっていない。そう思いました。
オリンピックも延期で、何もできないまま1年が経とうとしたとき、音声配信アプリの「stand.fm(スタンドエフエム)」に出会い、作家さんと同人誌印刷所さんをつなげられるような番組をひとまず配信してみました。
そこで集まった方々といっしょに、音声ライブを何度かさせていただけることになり、同人誌制作や創作活動のお話をたくさん伺うことができました。
そこで気がついたこととして、①創作ごとのアウトプット(作品)は定型な本の印刷に限らず多種多様であること、②創作ごとのプロセス(過程)は人から見聞きできるものではあまりない、③何かあってもいつでも帰れる作家さんの「場」がないということでした。
そもそも創作・同人活動をどう作家さんがされているかも知らずに、印刷のバリエーションだけをお伝えしてもと思うようにもなりました。
そう考えて、発信のカタチを変えることにしました。そのカタチが、現在も運営している情報発信サイト「Dounats」です。
創作ごとの過程にスポットを当ててみたのが「Dounats」で、この考え方になるまでも右往左往あるのですが・・
(つづく)