零歌集~アラタメ 五十九

家族より心通わす犬猫は
理由も聞かずただそばにいる

明日を待つ
何があろうと受け入れる
まぶたの裏に隠した地獄

カラオケの履歴を眺めほくそ笑む
セットリストが緩まぬように

水を得た魚が笑う車窓から
終わりを告げる斜光が射して

背表紙は
書庫に並べた短冊で
足りないものをまた埋めてゆく

無意識と言えど許されざるものは
優位性さえ履き違えてる

背をなぞる
あなたの好きでいられてますか
抱かれるたびに臆病になる

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