さて今回はXで開催された、ちゃも月さんが主宰のイベント、poetryWBC(以下PW)で書いた作品について。 PWとは、簡単に言うと各参加者から『5つのワード』を提出してもらい、それらを主宰がランダムに各参加者に割り振って1ポスト(140字)以内の詩を書いてもらうというイベントです。 で、今回俺に振られたのは、 ①人間洗濯機 ②硝子のハープ ③茶の香 ④地下居住区域 ⑤乙種紅燈(オイルランプ) の5つでした。 完成した作品は以下の通り。 人間洗濯機構は地下居住区域殲滅のた
生きていることが罪なら皆同じ 心の半減期が終わるよに なにもかも どーでもよくなる夜があり なにしても どーにかなるとは思えずに 優しすぎて まじめすぎて 考えすぎて損をする でもやめられぬ 大丈夫って言ってる人がいちばん『だいじょばない』のに世界は回る どうあれど 朝はまた来る目を閉じて 闇の海原星を探して
家族より心通わす犬猫は 理由も聞かずただそばにいる 明日を待つ 何があろうと受け入れる まぶたの裏に隠した地獄 カラオケの履歴を眺めほくそ笑む セットリストが緩まぬように 水を得た魚が笑う車窓から 終わりを告げる斜光が射して 背表紙は 書庫に並べた短冊で 足りないものをまた埋めてゆく 無意識と言えど許されざるものは 優位性さえ履き違えてる 背をなぞる あなたの好きでいられてますか 抱かれるたびに臆病になる
問うたとて 答えに救いあらずとも 忘れろと咲き散る花々と この空は 切り取ることもできなくて 風に進退問うても凛と 枯葉舞う あたりまえさえ疎ましく 手足を縛る普通というもの 人知れず ありをりはべりいまそかり 対なす我ら雑然と往く 太陽は光の海のトンネルで 笑顔でスイカ食む子を見てる
夢ならば星の向こうに届くかな 今でも君を愛しています 星々は流れて加速する記憶 呵呵大笑の貴方を抱いて どう生きる 問われた道は変えられず 断ち切れぬ愛太陽のごと 腐るほど見てきたものは箱の中 ひび割れ擦る爪音鳴りて 推して知る 言葉の奥にある想い まだ君は僕の北極星
錆びつけど放つ光は蘇る 踏み出せばまた悦びありて 何が詩を詩たらしめるかって? 詩以外のすべてってことでよくない? 月よ教えて 僕はあなたのよに 誰かを照らしているのだろうか 酷暑にも うなだれることもなく咲く 君は悪くないと諭すよに 君がいて君がいなくて果てようと 永遠(とわ)に揺れるは炎の振り子
人一倍 愛の重さを知っている だから孤独も愛せるんだ 人知れず ごまかしていた地獄なのに 痛みだけはあの日のままで 最期まで 言えずの LoveYa 届けるよ すぐに行くからそこで待ってて 虹の橋 星の瞬き ぬくもりを 見送るものと見守るものと 伸び上がる 耳、高鳴る金属音 果てずに消える惰眠の宵に
肩車 砂舞う髪も心地よく 恐竜のよに はしゃぐ娘と 月曜日 いつもと同じ 月曜日 言い聞かせても 沈む雨の夜 君が泣くと僕も泣く どうしたら忘れさせられるかわからなくて 何度でも 想いをのせて いつまでも 言葉の海で見つけて欲しい どこへでも行こう 君がいるなら 君が一緒なら あの頃の翼で
黙々と生地をこねる手には絆創膏 叩きつけては、また、ため息 心配性の君は、勇気を振り絞って言葉を選ぶ しきりに前髪を気にしながら、視線を合わせようとはしない 心ばかりの贈り物を、君はお守りだと言って身につけている 触れているだけで、そばにいるような心強さがあると言う 手を伸ばすとガラス越しに触れ合うふたり その時だけは視線が交わる その時だけは微かに微笑む 君の苦しみが消えるのは、ほんの少しの間 きっかけさえも忘れてしまうような刹那の戯れに時を忘れ ふたりにしかわからない秘密
零歌集 ZeroCoRe・Birth『Visualized Extension』
「さよなら」ですべてがわかるくらいなら はじめて会った日のままでいい →夜に駆ける/YOASOBI 感触と声じゃ足りない恐くなる 会えない時間 消えるため息 →君の声で君のすべてで /SURFACE よろしく哀愁/郷ひろみ 強くなる理由にしよう悲しみを あきらめましたあなたのことは →紅蓮華/LiSA かもめはかもめ/研ナオコ 良き友よ その繋がりは血より濃く 共に荒野を笑顔で走る →RUN/B'z 突然の雨に打たれて走り出す 思い出になる前に抱いてよ →突然/FIE
話し合い殴り合っては奪い合う 終わりの見えぬまちがいさがし 飛び散った ふたりの空はただ紅く 臓腑にまみれ鴉が踊る 呼び出して 空の上からキスをして 悲しいほどに綺麗な星よ なにもかも ままならないと嘆いては 囚われている終なきものに 季節感ツイ廃こそが身に染みる ネモフィラ湧いて藤の雨降る
通過点 到達点は心持ち 報われようと救われようと この星は 忘れたものを取り戻す 名も無き愛に抱かれるたびに 自分自身に置き換える そんな事さえもできなくされてしまった かしこまる 必要なんてありゃしない 楽しく詠めてこその趣味なら 誰だって 瞳の奥に闇がある 塗りつぶす影ぼやける奈落
見誤る 人知れぬ濃淡の波 血が通わねば伝わらぬもの 日向坂 走る子見やる犬と猫 陽に緩みて連なる欠伸と 雪は降る これで終わりと告げるよに 君が描いた春色のカーブ 届くまで 引き込む弦に想い込め 視線で放つ恋文の射手 初春や紆余曲折を泣き笑い 祓い叩いて手を取り合って
聞き上手では足らぬ人たらしたれ さすれば食うに困らぬものよ 動機? いつか誰かが殺されるから 『僕ら』で決めて みんなでやった →『心療内科医殺人事件』 結局は人は猿だろ知恵つけた そう言い聞かせ引き金を引く →『スナイパー』 「次のお便りです。ラジオネーム、これからあなたを迎えに行き、ま、ズッ…」 心がどこにあろうと、恋も愛も胸の奥に、心の底に。