零歌集~アラタメ 四十八

見誤る
人知れぬ濃淡の波
血が通わねば伝わらぬもの


日向坂
走る子見やる犬と猫
陽に緩みて連なる欠伸と


雪は降る
これで終わりと告げるよに
君が描いた春色のカーブ


届くまで
引き込む弦に想い込め
視線で放つ恋文の射手


初春や紆余曲折を泣き笑い
祓い叩いて手を取り合って


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