意外とされている道徳教育

道徳教育は道徳科の学習の中だけで完結するものではありません。

学習指導要領にはこのように書かれています。

 学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」とい
う。)を要
として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はも
とより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれ
の特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行うこと。

ここでポイントとなってくるのは、特別の教科である道徳を要として、という部分と学校教育全体を通じて行うものである。という点です。

以前、日本の道徳教育は全面主義と特設主義のハイブリッドであることは述べました。

道徳科の時間の学習はあくまでの道徳教育の要であり、道徳科の時間だけで道徳教育をするわけではないということです。

学校教育全体を通してということですから、普段の生活指導なども道徳教育ということが出来ます。

例えば、

・朝、学校に来たら、おはようございます。と挨拶をする。

・友達とは仲良くする。

・廊下は走らない。

といったことも道徳教育になります。そのような行為の指導も、社会をより良く生きていくうえで必要なことになるからです。

「じゃあ、普段の生活の中で道徳教育をしているんだから、道徳の授業いらないじゃん」

という言葉が聞こえてきそうですね。

ここで、上の三つに注目してください。上の三つはどれも行為を表していますよね。日常での指導に関して言えば、ほとんどが行為に関する指導と言ってもよいでしょう。つまり、なぜそうすべきなのか。そうすることで良いこと、または、困ることは何かといったことはおざなりになってしまいます。

挨拶をしない子に対して、こんこんと理由を説明しませんよね。せいぜい、マナーなのだから、きちんとしなさい。というぐらいです。

そこで、要としての道徳科の授業が必要になってきます。

道徳科の目標は以下の通りです。

第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,より
よく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値について
の理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生
き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実
践意欲と態度を育てる。

育てるのは、判断力、心情、実践意欲、態度です。行為よりも内面的な部分を重視しているということが出来ますね。

要という言葉の意味がここに表れています。つまり、行為等の外見的側面だけでなく、内面も伴って初めて道徳的な行動ということが出来ます。

ちなみに家庭でのしつけも一種のと言えますね。

今日はここまで。

この記事が良かったと思ったらスキ!&フォローよろしくお願いします。日々の投稿の励みになります。サポートも頂ければ、日々の教育の中で使おうと考えています。