モラルスキルトレーニング

今日は、モラルスキルトレーニングについて解説します。

モラルスキルトレーニングは道徳的行動をスキルとして捉え、子どもたちに習得させようとする学習方法です。

様々な人間の社会的行動を技術として捉えることをソーシャルスキルと言いますが、それの道徳的行為版と考えていただいてよいでしょう。

価値の明確化やモラルジレンマが子どもたちの内面的な側面に対してアプローチをしていたのに対して、このモラルスキルトレーニングは直接的に児童の行動面にアプローチをかけることが出来ます。

また、スキルであるため、分解してスモールステップで教えていくこともできます。また、今ちょうど問題になっていることを扱うことも可能です。

授業の流れはこのような感じです。

①資料の提示

②ペアインタビュー

③ロールプレイング1

④シェアリング

⑤メンタルリハーサル

⑥課題の提示

※⑥のメンタルリハーサルとは資料と似たような場面を思い浮かべることをします。そうすることで、道徳的実践をしやすくする狙いがあります。

特徴的なのは、ロールプレイングの後のシェアリングでより良い方法を探ることが出来ることでしょう。つまり、これから起きるであろうことに対する心構えを作ることが出来ます。心構えがあるということはいざ、そのような場面に出くわしたときに適切な行為を取りやすくなると言えますね。

また、場面を限定して捉え、心を介さないことにより、人の心情や感情を読みにくい児童にとってもどのようにすればよいかがわかりやすいといえるでしょう。ある意味、実践に特化した道徳教育であると言えます。

もちろん、モラルスキルトレーニングにも問題点や限界点があります。

・心を通さないがゆえに、道徳的行為をしつつも道徳的心情が伴わないというケースが発生してしまう。→人前では道徳的に振舞うが、人のいないところでは道徳的行為ができないということが起きる。

・行為に特化しているため、その行為をする理由はどうしても安易なものになる。

・道徳科の時間は行為の指導をする時間ではないため、道徳の時間にこれだけを取り上げることは難しい。下手をすれば、単なる生活指導になりかねない。

どの授業方法にも一長一短がありますので、上手く組み合わせて使っていくことが重要です。

今日はここまでにします。

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