476/1000 【繋がりと縛り】 映画 「ノマドランド」
See you down the road (また会おうね)
それがいつになるかは分からない。数日後かも知れないし、数年後かも知れない。
今生ではないかも知れない。
それでも、「また会おうね」は「さようなら」ではない。
この道の先のどこかに目を向けることができる。振り返るのではなく。
生きることは何かと、誰かと繋がること。
ダイビングの好きなところは、緩やかな繋がりがあるところだ。
水という形で風に繋がり、言葉の無い世界に音を感じる。
マスクを外したらすぐ死ぬかも知れない世界で、生きていると感じられる。
陸に生きる人は、どうしても何かや誰かと繋がりたいと思うものなのかも知れない。
でもその繋がりは、気づけば縛りに変容している、こともある。
その縛りから抜け出したくて、外へ外へ、先へ先へと目が向いてしまう。
縛りのない、緩やかな繋がりを求めてしまう。
縛りは、また緩やかな繋がりに戻ることもあるのだろうか。
または、緩やかな縛りもあるだろうか。言葉自体が矛盾だけれど。
フランシス・マクドーマンド、圧巻。
登場するノマドの方々はほぼ皆さんご本人。どこまでがドキュメンタリーでどこまでがフィクションなのかの境界も曖昧だけれど、そんな線引きを意識することすら意味がない。
ピアノが弾きたくなった。誰かと緩やかに連弾がしたい。ピアノ前だけで繋がり、その後はまたね、って言えるような関係性が欲しい。
一部懐かしい風景。遠くなってしまった育ちの国。
観られて良かった。
明日も良い日に。
この記事が参加している募集
言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。