468/1000 【鬼とは】 大河ドラマ 「青天を衝け」 第9話
憎まれごとは、この直弼が甘んじて受けましょう
桜田門外の変がこんなに切ない事件として描かれるとは思いもよりませんでした。
開国を推し進めつつ、そのことが当然引き起こす批判をすべて背負い、更に先の公方様の呪詛までも一身に引き受けて死んだ井伊直弼。
安政の大獄が良策だったとは全く思わないけれど、その政策の中に将軍家へのつゆ払いも含まれていたという解釈の碁石を一手打つだけで、盤面の絵柄がガラリと変わる。
爽やかなOP楽曲が流れる中で、血に染まる井伊直弼。
異国を排するなどと鼻息荒く決起する若者がまず頼ったは、その異国由来のリボルバーだなんて、皮肉にもほどがある。
刀だけでは輿までの防御を突破しきれないからとはいえ、自己矛盾がすぎやしまいか?#武士の魂どこいった
「鬼ケ宿」という直弼作の狂言も、一度見てみたくなりました。
あらすじは、
安達ヶ原に住む馴染みの女を太郎が訪ねるが、女はすでに心変わりをしていた。
女は持っていた鬼の面を使い、太郎を追い返そうと一計を案じる。女は太郎に酒を薦めるが家には酒が無いことも告げ、太郎に買いに行くよう命じる。(え?)仕方なく買いに出掛けようとする太郎。道中には鬼が出る、と謎の予言をする女。
その後帰って来た太郎に歌い踊るように命じた女は、言われた通りに謡い踊った男の前で顔に被っていた白い布を外す。その下から現れた鬼の面に驚き「すわ鬼が出た」と逃げ出す太郎。女は鬼の面を被ったまま太郎の後を追い、2人はそのまま退場する。
うーん、鬼かあ...
直弼を打った水戸藩の藩士らも、きっと鬼の首を取った気持ちでいたんだろう。実際にこの狂言、事変の数日前に上梓していたらしい。歴史は時に、こういういたずらをしでかしてくる。
謹慎というのは、親の見舞いどころか死に顔も見られんのか。
祖母の見舞いどころか、死顔も、ましてやお葬式にも参列できなかった昨年の自粛期間を思い出しました。
未だに生きてる感じがして全くもって実感が湧きません。
それくらい悼みの儀式には意味がある。
慶喜の顔が見られないくらい、自分と重ね合わせてしまいました。
そういう人は、きっと山ほどいるのでしょう。今も昔も。すごい脚本は時代を超越する。
これだけでもお腹いっぱいなのに、
口吸い
という竹中爆弾まで炸裂させるとは、いいのかNHK、こんな序盤に大盤振る舞い。#竹中直人だからできた荒技
いや、もう1つ影でびっくりしたのが、痔の話。
あれってアドリブじゃ無かったの?それともそのアドリブをここで回収したってこと?!
ウルルの涙が一瞬引いた瞬間でした。
幕末って、狂乱というか熱に浮かされていたような時代だなあ、と改めて感じた回でもありました。
明日も良い日に。
アイキャッチは、鬼が出て来そうな薪能の舞台!数年前だったかな。妖の空間でした。