298/366 【むむーん】 米大統領選第3回テレビ討論会について
同時通訳的カオスに終始した第一回大統領討論会の印象は、バイデンさんの態度の悪さから「トランプさんが勝つかも」でした。
トランプさんのコロナ罹患によりキャンセルとなった第二回のタウンホールについてはバイデンさんがフィラデルフィア、トランプさんがマイアミという大きなスイング州で個別に行われましたが、その際も「こんなに自分に対してアンフェアで攻撃的なモデレータに対して一歩も引かないトランプさんの強さ」が印象的でした。「強いアメリカ」を支持する有権者に、彼の姿は思いの外訴えかけるのではないか、という印象です。
対してバイデンさんに対する質問は生ぬるく、モデレーターもなあなあで、予定調和な雰囲気です。報道ってこんなんで良いの?という疑問が拭いきれませんでした。
そして去る木曜夜(日本時間の金曜朝)最後の討論会が開かれました。
第一印象:モデレーターのクリステン・ウェルカーさん、素晴らしい仕事っぷり。フェアだし、答えにくい質問を両者に投げるし、両者が考えて答えなければならないような論点を切り返すし、互いに対する反論の余地もちゃんと取っておられます。たまーに出すチクリという一言でご自身がどちらの支持者かが垣間見えましたが、無問題な程度。凄いなー、こんなのやらされたら私絶対泣いちゃう。
トランプさんも1回目よりもお行儀がよく、バイデンさんの相手を卑下するような感じは薄れていました。
とはいえ、候補らの主張についての印象は「どっちもどっち」でした。バイデンさん、今回の選挙で勝つには「人となり」を前面に出すしかないとようやく気付いたみたいです。元々誠実さや暖かさを前面に出していた人ですものね。その数日前のオバマさんの応援演説でも、「今回の選挙は為人対決。アメリカがどうみられたいのかが主眼」と訴えかけていました。(オバマさん、やっぱりスピーチうまい)
前回のタウンホールでは不自然なほど触れられてなかったバイデンさんのウクライナ疑惑についての質問も出ましたし、トランプさんの税金未払い問題にも触れていたので、お互い突かれたくない部分は均等に突かれていました。
コロナ問題、人種差別(Black Lives Matter運動)、アジア(北朝鮮と中国)、ヘルスケアと言った論点は概ね想定通りでした。
政治家なんて口ばっかで何もやれないじゃん。
(だから4年前、俺っち立候補したんだぜ)これがこの日のトランプさんの一番のキラーフレーズだったのではないかしら。特に議員歴が長く、副大統領を2期務めたバイデンさんには一番効きそうに思いました。
そうなると、
オバマさん、バイデンさんが主張しているアメリカがどう見られたいか
vs
トランプさんのどう見られてもいいだろ、まずは国内第一だぜ
という、国外目線vs国内目線勝負になるのかな。
もう1点気になるのは、バイデンさんの体力の無さ。最後の討論は2時間なのですが、1時間半を過ぎた辺りから、疲れを隠しきれていません。口籠ったり、滑舌が悪くなったりしていて、これで大国を率いられるのか不安になりました。トピックは気候変動関連だったので巻き返しも出来そうだったので余計に目立つ点でした。
もしバイデンさんが大統領になり、任期の最中で体調不良を起こした場合、副大統領が彼の代わりを務めることになります。その可能性を考えた場合、トランプvsバイデンの選択に加えて、ペンスvsハリスでの比較もしなければなりません。やばい、副大統領討論、見てない...
4年前ははっきりとした判断基準が持てたのだけれど、今回は消去法にするにしても決め手に欠ける。民主党の焦りを感じるということは、アメリカ本土は思いの外共和党が強いのかも知れない。親しい友人らからは圧倒的にバイデン支持の声が多いけれど、今年は全く現地に行っていないから、街の空気感がさっぱり分からない。主要メディアは反トランプだから、そもそも入ってくる情報にバイアスがかかってしまう。
討論会のYouTubeのコメントを見ていると、トランプさん支持のコメントの方が多いんだけど、アンチメディアな意識があるからかしら。うーん、分からぬ。
菅さん的にはどちらの方がやりやすいのだろう。不勉強でアレですが、菅さんがよく分からないので、外交相手としてどっちの方が日本として良いのかがイマイチ掴めない。
11月3日、どんな結果になるのだろう。
あ、最後に爆笑してしまった一言をご紹介して終わりにしたいと思います。
アメリカ人はパニクらない!(キリッ)
ロックダウン直後にスーパーの棚から物資が無くなったのは、パニック行動ではなかったのねw
明日も良い日に。