偽義経冥界歌
劇団新感線、久しぶりの中島かずきさん描き下ろしの新作。内容をライナーノーツ的に言うと、偽の義経が(に、と)冥界で(を)歌う物語… って、まんまかいっ!いや、まんまなんす。ほんまなんす。
義経といえば弁慶ですが、その2人の関係に実はあれこれ史実には書かれていない裏があったら、という「もしも」設定から始まり、乱世の生者や、夢半ばで彼岸へ去ったツワモノどもがお互いに陰謀を張り巡らせながら天下を目指す物語。
夢はかくもたやすく我欲になり、上を目指せばキリがない。この家族を、隣近所を、そのまた近所を、あの林までを、この奥羽の大地を、くらいで、どうしてとどめておけないのだろう。
死者は彼岸で心平かに暮らしているのに、それを現世に戻して邪な存在にしてしまうのは、生きているものだ。冥界の扉を開けるのは、死者ではなく生者だ。生者が、正邪を決めるのだ。悪を生むも、悪を滅するも、揺れては果てる命をもつ者なのだ。
「普段とことん悩まんやつが、悩まないことに悩みだしたら、それもとことん悩むんだろうな」
まっすぐな瞳は、相手の全てを映し出し、増幅させる。相手が善なら、その善がさらに増幅され、相手が悪なら、悪がドス黒さを増す。愚かだバカだと言われる人の瞳は、己の心根を試す合わせ鏡であり、自分の生き方の答え合わせになるのだろう。
劇団新感線、39周年のサンキュー公演、金沢公演の初日参戦でありました。東京公演は来年で、しかもその時、橋本じゅんさんが出ないとあっては、遠征するしかあるまいよ。ぐるぐる劇場と同じ人数が、より小さな普通の舞台で、壇ノ浦やりーの、奥州討伐やりーのしたら、もう板の上がしっちゃかめっちゃかw 花道2本もふんだんに使う、殺陣ラブ冥利につきました。特に2幕。息継ぎしたら、見逃してまう。やばいやばい。そりゃ、1幕手抜きに見えたわけだわ。このテンションで1幕からやったら、全員死んでしまう。
最後は座長の生田斗真くんのご発声つきの、なんとも豪華な雪の金沢でありました。
逆木さんがご出演の時はナノブロックアートが登場するのだ。
翌日は、石川国際交流サロンへ。ちょうど、お花の展示をしておりました。
もともとは蔵があったらしい。
日本家屋全体を展示スペースに見立てているのだけれど、それがすっきり馴染んでいます。波ガラスも素敵。こういう日本家屋が少なくなったように思います。
お庭もステキ。こじんまりだけれど、澄んだ気が流れていて、浄化された気がしました。
〆はFumuroya Cafeでお麩ランチで終了。
ぎゅっぎゅっと詰まった2日間でありました。
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