441/1000 【天国バンドはもう暫く賑わわないでいて欲しい】 村上"PONTA"秀一さまへのお願い
村上"PONTA"秀一さんが亡くなった。
ドラムとは、こんなに自由で茶目っけがあって、遊び心に溢れている楽器になりうることを教えてくれた大好きなドラマーさん。
初めて生で聞いたのが、PONTA BOXの1枚目。まさにこんな格好でやってた。ピアノの佐山さんも、もういない。
PONTA BOXを紹介してくれた、当時ちょこちょこ一緒にバンドをやっていたドラマーのO君は、彼に憧れてスプラッシュを買っていた。
ハイハットやシンバルとは違う、シャリーンという音が部室に響くたび、妙にウキウキした。
純粋な音は、鼓動や脈に直接作用する。
番組The Recording(92年)で取り上げられた楽曲はどれも好きだったけれど、その中でも印象に残っているのはこちら。
稀にしか行かないけれど、カラオケでこの曲を歌うようになったのは、これがきっかけ。頭の中に流れているのは、陽水さんじゃなくて、TOSHIと青木さんの歌声(ごめん)。PONTAさん含めたMASTER BANDのカッコ良さたるや。
6回で終わってしまったのが残念すぎる番組。
スタジオでめっちゃタバコ吸ってるCHAR!
「紫煙に煙るバー」は、もう存在しない。いずれこんなシーンは、コトバごと消える。
人の死は2回あるという。
1回目は、物理的な死。
2回目は、記憶から消えてしまう完全死。
言葉も同じだ。
物理的な場が存在しなくなった時、言葉は1度死ぬ。
そしてその言葉が示していた状況が記憶から消えてしまった時、2度目の死が訪れる。
飛行機の中で喫煙できたなんて、今年成人式を迎えた人は想像もつかないだろう。
ちょっと前までジャズバーでタバコが吸えたことすら、きっと記憶に埋もれてしまう。そんな「蛮習」なかったことになってしまう。言葉共々。
この動画も、もしかしたら「青少年の喫煙を促す」的な理由で、削除されてしまうのかも知れない。
そうなる前に、観てみて欲しい。
PONTAさんとのやりとりも可愛いし、大村憲司さんの「負けた...」も可愛い。彼ももういない。
記憶に残っている限り、彼らの2度目の死は訪れない。
去年の1月にも、大好きなドラマーが他界したばかり。
ねえ、PONTAさん、ニールさん。天国バンドが賑わいすぎて困るでしょ?
どうか暫くは、誰かが川を渡りそうになったら全力で押し戻してくれませんか?
私は、明日もちゃんと良い日を生きるから。