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398/1000 【おおおお】 大河ドラマ 「麒麟がくる」 第43話
今の信長さまを作ったのは父上であり、そなたなのじゃ。
よろず、作った者がその始末を為す他あるまい。
本能寺への決定打を打ったのは、やはり帰蝶ちゃんでありました。
それにしても光秀と道三との会話に全ての伏線が隠されていたなんて、全くもって気付きませんでした。
戦は他国の領地を奪うところから始まります。己の国が豊かで、人並みに暮らせる所であれば、他国に目を向けることはありません。
信長さん登場前、城の外に目をむけ、視界には入らない遠くの海に目を向けながら道三が光秀に語った言葉。あれから何十年を経て、今度は光秀が家康に同じことを語るのです。
でも、そのままを伝授するわけではありません。
道三の視座を更に進化させ、「豊かな国の仕組み作り」にまで昇華させているのです。
その仕組みの一つが検地であり、その検地の極意を家康に伝授する光秀の曇りのない瞳たるや。
先日の永青文庫の展示にもありましたが、信長の治世術は、まだまだざっくりとしていたそうです。信長は乱世での風を読む、という意味では稀代の武将でしたが、そもそも戦に勝つのも「褒めて欲しい」が根底にあるからであって、本当に「戦のない国」にしたいかと言ったら必ずしもそうではない。
よって、「良き統治」「よろず平らかな国造り」には目が向かない。
「戦争だから兵を出せ」と言うだけの信長の命を受けて光秀は、「ここの領地はこれだけの石高である。だから、1石あたり、X名の兵を出せばよろしい」等々、具体的な指示を自分の領地では出していたそうなのです。その手法については藤孝さんにも伝授している。
これならば諸国間の誤解も無く、不平等感も払拭できた上での責任分担が出来るのです。
国勢調査に基づいた、近代的な治世をこの時代から築いていたのが光秀であり、それを家康が受け継ぐ会話は、場面としては地味だけれど、その後300年以上続く江戸幕府の成功を匂わせるとても大切なシーンでした。
そんな近年の調査結果を折り込みつつ、同時に仲睦まじい家康と光秀を目撃して嫉妬メラメラな信長へと繋げていく。無駄な瞬間が一切ない脚本と演出に絶句でありました。
細川藤孝が光秀に呼応しなかった理由フラグもさりげなく立てつつ、饗応役の場で恥をかかされた光秀も一部採用しつつの展開。
ああ、これで本当に、本能寺に向かって全方位包囲網が完成してしまった...
信長様と共に新たな世を作れと。(道三様に言われたのです)信長様あっての私でございます。
これだけブレないのも凄いけれど、だからこそ、藤孝や秀吉との処世術における対比が生まれます。ブレないことは美徳ではあるけれど、あの時代においてそれは極めて危うく、諸刃の剣となってしまう。光秀はまさにその諸刃の刃をふるい、月に向かって伸びる木を己もろとも倒してしまうことになるのです。
ってさ...
マジで来週終わるのね... 悲しい。
明日も良い日に。(泣)
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