333/366 【ショートショート】 床屋の愚痴
昨今、床屋は商売上がったりなのである。
いい歳こいたおっさんですら美容院とやらに行きやがる。けっ。あんな白とか木目調とかなはっきりパッキリしない店の、何がいいんでい。
椅子がふかふか?知らねーよ。どんなに椅子がふかふかでも、髭を当たってくれるわけじゃねえ。当然ホカホカのおしぼりで顔をふけるわけでもねえ。
くすぐってんのかお前!ってな程度の力しか入れないシャンプー。
きつい香りのこんでぃしょなあ。
こちとら、短髪ぶっちぎりだ。柔らかくする髪なんざないわ。こんちくしょう。
そんな床屋ならではの愚痴を気兼ねなく言い合える場所がある。それが
バーバーバー
である。こう書くと、何やら北欧出身の青いパパが率いるファミリーアニメに見えるが、そうではない。
英語で書くと、
Barber Bar
である。
この床屋専用会員バーのお勧めは当然、ベトナムを代表するビール。
333、即ち
バーバーバー
なのである。
ちなみに3人一緒にバーバーバーを頼むと
バーバーバーバー
となり、ジャックポットとして一杯半額になる。
今日は、2020年の333日目。
バーバーバーでお祝いするもよし。
12月前最後の土日として床屋へ行くもよし。
どちらも関係ないなら、アメリカのサンクスギビングにあやかってじいじばあばと過ごすのも良いだろう。
さて今日もいっちょやるか。
掃除を終え、仕事道具を磨き上げ、おしぼりの準備を整え終えた床屋は、外の青と赤のくるくるに電源を入れた。
「今日もよろしくな」
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続きは、またいつか。
久しぶりの「三回繰り返すシリーズ」でした。
ここまで来れたことに感謝。
明日も良い日に。
言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。