【創造とは】 松本市美術館で魂をフルフルさせたこと
松本出張中、どうしてもここだけは行きたかったのが、松本市美術館で開催されている草間彌生さん特集展示でした。
https://matsumoto-artmuse.jp/exhibition/permanent/12555/
2021年に松本へ来た際は、美術館が閉館していたのです。
それはそれで最高の作品と出会えたので良いのだけれど、今回こそはと訪れた草間彌生さん展は、誇張抜きで魂が震えました。
命の脈みたいなものは、常に我々を取り囲むようにして存在している。眺めているだけだと気付かない。見つめていると、そこかしこに命は脈々と銘打っていて、その圧に気圧されそうになる。
しかもそれは、上下左右に展開している。底がない。壁もない。天頂もない。終わりのない。
永遠を人は求めるけれど、永遠とは、恐怖だ。だから、刹那でいい。それなのに、人は永遠を求める。愛にも、生にも、楽にも、金にも。
過去も未来も、バナナカーブを描いて、自分に返ってくる。時は平行に走っているわけではない。太陽をめぐる恒星の軌跡は、実は螺旋を描いているように。遺伝子のように。
自分のこれまでだって、ちゃんと輝いていた。光はあった。
今の自分から目を背けるように佇んでいる過去も、ぬるい眼差しで見つめてくれている現在も、無表情の未来も、半分だけ私から背を向けるように立っている、いつの時点の私か分からない私も。それでも、どの瞬間でも、我々はきっと、光を発している。
最後に、1人きりで佇むことのできる個室で、ただただ呆然としてしまった。幸い、閉館間際の時間で、他にお客さんがいらっしゃらなかった為、少し長めにいさせて頂けた。
草間さんの目に、世界はきっと、こういう風に映っているのだろう。彼女は、それをただそのままアートにしているのだろう。そんな気がする。
ビビッドな色調の作品が多い中、数点、くすんだ色で描かれた作品があった。その時の心持ちを想像して、口がすぼむ気持ちがした。苦しくなった。
目がたくさん、毛がたくさん。目は見るし、毛は生える。そういうことだ。
最初と最後に展示されている草間さんの詩も素晴らしかった。しかも更に、英訳がそれはもう美しくって、ゾワゾワした。
地上での愚かさにまみれて(mire of foolishness on earth)、我々は生きている。真実を追い求めようとすると、星々はむしろ遠ざかってしまう。
そんな中で、「こんなに美しい愛と人生を見つけた私たち」Such a beautiful love and life found by us. 」
この受動態の美しさよ… あああ、こういう言葉を紡ぎたい。
久しぶりの3泊出張。少しずつ、ウィズコロナは浸透しつつある。
明日も良い日に。
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