スミレの味と香り 3
本日は筆者の定番スミレ愛用品をご紹介したい。
Oriza L. Legrand
https://www.orizaparfums.com/fr/parfums/26-violettes-du-czar.html
ルイ15世、ヴィクトリア1世を筆頭に各国王室御用達フレグランスメゾンだったオリザ。中でもロマノフ朝ロシア皇帝には特に好まれ、Violettes du Czar (1862)、Violettes du Czar pour le Mouchoir (1896)、Doubles Violettes du Czar (1900) 、 l'Aigle Russe (1907)と5種類も皇帝の香水を制作した。そのうちの4種類がスミレの香水である。19世紀半ばから20世紀初頭にスミレの香水が流行した証だろうか。
ツァーリのスミレ、つまりロシア皇帝のスミレという名のこの香水は甘くならない、パウダリーにもなり過ぎないアロマティックなスミレ。トゥルーバルサム、ヘリオトロープ、アンバーがアロマティックな奥行きを出し、ガイアックウッドと若干のレザーとバイオレットリーフが甘すぎること無い演出をする。フレンチバイオレットやアイリスも加わり、優雅さ極まりないスミレの香りになる。この香水はスミレのキャンディの甘い香りでも無い、幽幻、壮麗、高貴といった言葉が似合うスミレ香水だ。この時代のロシア皇帝はアレクサンドル2世、クリミア戦争敗北後に国内改革を目指し農奴解放や工業化を進め、私生活では皇后の死後間もなく、家族の反対を押し切り既に3人の非嫡出子を成していた下級貴族女性と貴賤結婚した。この結婚で皇太子は鬱状態となり、結核にも罹患し結婚を目前にあっけなく死去してしまった。スキャンダルロマンスを持つ皇帝である。
宮廷香水らしく香りは拡散せず、一日中ゆっくりじっくりと香ってくれるところもお気に入りだ。公式サイトから購入可能。
Violetta
パスティリエ・レオーネのバイオレット味。
1857年、イタリアピエモンテ州アルバ近郊の小さな村でルイージ・レオーネが創業した小さな菓子店レオーネ。やがて店はトリノに移り大成功。イタリア王国初代首相カミッロ・カヴールはレオーネのグミを愛し、イタリア王国ロイヤルファミリー、サヴォイア家の御用達となり、製品には現在もサヴォイア家の紋章があしらわれている。
パスティリエの魅力は何といっても100%天然素材使用、創業当時から変わらぬ製法で作られる素朴で優しい味だ。合成保存料や合成香料抜きの優しい味がたまらない。バイオレット味は口の中でほんのりとスミレの香りと穏やかな甘さが広がる。ラムネ菓子やビオフェルミン錠剤を思わせるツヤの無い小さな錠剤は勿論口の中でずっと溶かしても美味しいが、軽やかな噛みごたえもまたたまらない。独特の食感は癖になるだろう。ビーガンフリー、グルテンフリーであるのも嬉しい。
パッケージの美しさもレオーネ製品の魅力。クラシカルデザインから動物の愛らしいデザインまで様々なデザインが販売されている。DEAN&DELUCAや東京のイタリア料理店シミシェッダの店頭やシミシェッダのWebショップで購入できる。シミシェッダは他店より価格も安く在庫種類が豊富だ。
パッケージが美しいのでプレゼントにもお勧めだ。バイオレット味はリコリス味と食べると非常に美味しい。スミレのキャンディやスミレの砂糖漬けファンに是非食べて頂きたい。
◯出典
○Leone | Caramelle e Dolciumi Artigianali dal 18
https://pastiglieleone.com
○Scimisciedda
https://scimisciedda.thebase.in
○シミシェッダ Yahooショッピング
https://store.shopping.yahoo.co.jp/scimisciedda/
○Oriza L, Legrand
https://www.orizaparfums.com/fr/
○Реклама с видами парфюмерной фабрики Oriza L.Legrand, Франция, 1873 год
https://little-histories.org/2021/08/13/gravjura-s-vidami-parfjumernoj-fabriki-legrand-francija-1873-god/
○Fragrantica
Violettes du Czar Oriza L. Legrand
https://www.fragrantica.com/perfume/Oriza-L-Legrand/Violettes-du-Czar-30263.html
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