<連載②>すてきな1日がはじまる『14ひきのあさごはん』
40周年をむかえる「14ひきのシリーズ」から、1作ずつご紹介する連載企画、第2回です。
今回ご紹介するのは、1983年7月、『14ひきのひっこし』と同時に刊行された『14ひきのあさごはん』です。
14ひきの物語は『14ひきのひっこし』からはじまりますが、実はいわむらかずおさんが先に絵を描いたのは、この『14ひきのあさごはん』なのだそうです。
その中でも1番最初に描かれたのが、子どもたちが春の雑木林をいくこの場面。
あっ、かぶとむしたち あさごはん たべてる。
はちも、かまきりも、てんとうむしも いるよ。
かごにゆられてうれしそうな、くんちゃん。
木にとまっているくわがたやてんとうむしを発見した、ごうくん、ろっくん。
ころんでしまったなっちゃんを心配そうに見る、にっくん。
いわむらさんは、「14ひきのシリーズ」をはじめるにあたり、10ぴきの子どもたちの個性を描き分けられるかどうかがポイントになる、と考えていました。
10ぴきの子どもたちは、身近な誰かをモデルにしたわけではなく、いっくん、にっくんなどひとりひとりが自分の中に確かに存在していたのだ、といわむらさんは言います。
この絵を描いてみて、14ひきの物語が絵本にできる、と確信したのだそうです。1ぴき1ぴきが大切に描かれているからこそ、読者である子どもたちは、子どもたちそれぞれを大切な友だちのように感じたり、自分自身を重ねたりすることができるのでしょう。
どんぐりパンにきのこのスープ、そしてつみたてののいちご。
自然の恵みいっぱいの朝ごはんが並んだ食卓からも、よっちゃんのおしゃべりやなっちゃんとごうくんのけんかする声など、にぎやかな音が聞こえてくるようです。
次回はどの「14ひき」でしょうか?
どうぞお楽しみに!
(いわむらかずお・さく)
(広告宣伝担当・はな)
子どものころに読んだ『14ひきのあさごはん』。大好きだったのは、どんぐりパンをつくる場面です。ページをめくるとまさに「ふっくらと」焼けたどんぐりパンがあらわれ、うれしくなったことをおぼえています。そのときの私は、さっちゃんやよっちゃんといっしょに台所に立っていたんだと思います。
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