紙芝居ならではの魅力って? 紙芝居と絵本のちがいって? 「紙芝居アカデミー2023 夏期講座」レポート
8月5日・6日の2日間、童心社による紙芝居講座、「紙芝居アカデミー2023 夏期講座」が行われました。
昨年に続き今回もKAMISHIBAIホールでの会場受講とオンライン受講との同時開講となり、全国から200名をこえるみなさまがご参加くださいました。
1日目は2つの講義を行いました。
最初の講師は、童心社の元編集者でもある日下部茂子先生。『おかあさんのはなし』『おおきくおおきくおおきくなあれ』など実演も交えながら、絵本と紙芝居の違いや実演のポイント、まついのりこ先生との紙芝居制作時の貴重なエピソードをお話しくださいました。
続いて、東京未来大学こども心理学部教授の佐々木由美子先生による講義です。
日本で生まれた紙芝居が、歴史的にどのように保育とかかわってきたのかを貴重な資料をもとにたどりました。
昭和初期、農繁期保育所で演じられた貴重な紙芝居も実演くださいました。
また、体温をもった「生きた声」で演じられる紙芝居が、今の子どもたちの健やかな成長に非常に重要な役割を果たすことをお話しくださいました。
2日目は、いよいよ受講生のみなさんの実演の時間、「みんなで演じてみよう!」です。
ご希望をいただいた中から5名の方に、紙芝居を演じていただきました。
今回の実演作品は、『ごきげんのわるいコックさん』『りゅうぐうのくろねこ』『チンパンジーのおんがくかい』『のばら』『ぞうさんきかんしゃ ぽっぽっぽっ』。
おひとりずつの実演のあとには、童心社編集部の橋口が演じ手の方とお話ししつつ講評を行いました。
そして2日間の最後に登場くださったのは、「ももんちゃん あそぼう」シリーズはじめ数々の紙芝居作品も手がけてきたとよたかずひこさん。人気の『はい、タッチ』や『でんしゃがくるよ』、あかちゃん紙しばい『ワンワンワン』など、たくさんの作品を実演くださいました。
また、現在制作中の紙しばいの試作版を演じたあと、受講生の方に展開についての意見をもとめる珍しい場面も。
作家の視点から、紙芝居をつくるにあたりどんなことを考え、試行錯誤しているかについて、じっくりお話しいただきました。
2日間の講座にご参加くださった皆様から、さまざまなご感想をいただきました。
●子どもたちと一緒に紙しばいを楽しむときに、どんなことに演じ手が気を留めておくべきなのかがわかりました。今後実際にやってみるのが楽しみです。
●絵本と紙芝居の違い、なんとなくわかっているつもりでしたが、明確にそれぞれのよさがわかりました。紙芝居の奥深さを改めて思い知りました。本当に今こそ、子どもたち同士で一緒に楽しさを共有しあえる場を大切に作っていきたいです。
●演じてくださったどの方も、作品の世界をご自分の中にとりこんで見ごたえ、聴きごたえのある実演をされていてすごいなと思いました。
●人が人らしく育つため、紙芝居のような生きた言葉で語る文化の大切さについて改めて学ぶことができました。
ふだん子どもたちと紙しばいを楽しんでいらっしゃるみなさんの熱意にふれられたことは、私たち紙PROのメンバーにとってもかけがえのない経験となりました。
今回講座にご参加いただいたみなさまとは、これからも紙芝居をともに学び、楽しんでいく仲間として、つながっていくことができればと思います。
今回の講座は、9月19日までアーカイブを販売いたします。
ご希望の方は下記よりアクセスしてください。
https://doshinsha-kamishibai2023-minogashi.peatix.com/
今後も童心社は、紙芝居の魅力を多くの方に知っていただくべく活動を続けていきます。ぜひご注目ください。
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